DMG森精機は10月29日、欧州における鋳物の安定供給とサプライチェーンの強化に向け、ポーランドのプレシェフ市に鋳物工場「DMG MORI CASTECH Poland」を新設すると発表した。2026年中に着工し、2030年の生産開始を予定している。将来的に年間最大2万トンの生産能力を備え、工作機械のベッドやコラムなどに使用する高品質な鋳物を生産し、欧州の各生産拠点に供給する。
新工場の延床面積は2万7,000㎡超を計画する。鋳物生産の内製化により、原材料の組成から鋳造工程、最終加工部品に至るまで、品質に関わる一連の工程を管理する。既存のサプライヤーネットワークを補完しながら、欧州域内の鋳物供給能力と柔軟性を高める。
新工場は、工作機械の生産に加え、欧州の各生産拠点に主要部品を供給するDMG MORI Pleszew工場から約2.5kmの場所に建設する。両拠点の近接性を生かして鋳物部品のサプライチェーンを短縮するとともに、同工場の機械加工部門・研究開発部門と新工場の鋳物製造部門が密接に連携し、鋳物品質の向上と製品開発期間の短縮を図る。
新工場の運営会社となるDMG MORI CASTECH Poland Sp. z o.o.は、2026年4月16日に設立した。新工場には、原材料の再生・回収プロセスと最新の生産技術を導入し、資源の有効活用を進める。
また、100年以上の歴史を持つ鋳物メーカー、DMG MORIキャステック(島根県出雲市)で培った鋳造技術や生産ノウハウを活用する。同社は1923年に渡部製鋼所として創業し、DMG森精機は2005年に資本参加、2020年に連結子会社化した。現在、高周波誘導炉とCO₂フリー電力を活用するほか、廃却された工作機械から回収した鋳物や、機械加工で生じる鋳物の切りくずを再資源化し、新たな鋳物の原材料として利用している。こうした技術と環境負荷低減の知見を新工場にも展開し、高品質で環境負荷の低い鋳物生産体制を構築する。
同社は、工程集約、自動化、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて顧客の生産プロセス全体を変革する「マシニング・トランスフォーメーション(MX)」を推進している。今回の新工場もその一環で、欧州域内での生産・供給により大陸間輸送を削減し、輸送に伴うCO₂排出量の低減とサプライチェーンの安定化を目指す。
「Local for Local」の考え方に基づき、需要地に近い地域での生産・供給体制を強化することで、欧州の産業バリューチェーンにおける事業基盤を拡充する。既存のサプライヤーネットワークとの連携を維持しながら、グローバルな物流や供給網の変化にも柔軟に対応できる体制を整える。
■新会社概要
・会社名:DMG MORI CASTECH Poland Sp. z o.o.
・設立:2026年4月16日
・取締役:ズビグニエフ・ナドスタウスキ(Zbigniew Nadstawski)、中務洋介(Yosuke Nakatsusa)、Dr. ヤロスラフ・ヤコブ・カーツ(Jaroslav Jakob Kartz)
・建設開始予定:2026年中
・稼働開始予定:2030年
・所在地:ポーランド・プレシェフ市
・延床面積:2万7,000㎡超
・生産品目:鋳物
・生産能力:年間最大2万トン(予定)
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