川崎重工業は11月5日、サイバーセキュリティ対策を強化した産業用ロボット向けコントローラ「Fシリーズコントローラ S-type」の発売を開始したと発表した。製造現場のIoT化進展に伴い高まるサイバー攻撃リスクへの対応を強化し、生産設備の安定操業を支援する。
近年の製造業では、ロボットや周辺機器のネットワーク接続拡大を背景に、生産データの活用や遠隔保守の導入が進んでいる。一方で、設備停止や情報漏えいにつながるサイバー攻撃のリスクが増大しており、産業機器に対するセキュリティ対策の重要性が高まっている。欧州連合(EU)ではEUサイバーレジリエンス法をはじめ、デジタル要素を持つ製品の開発・製造事業者に対してセキュリティ強化を求める動きが活発化している。
新製品は、同社の産業用ロボット向けコントローラとして広く採用されているFシリーズの操作性や拡張性を継承しながら、ユーザー認証機能やアクセス権限管理、通信保護機能などを強化した。不正アクセスやシステム改ざんのリスクを低減し、ネットワーク接続が進む生産現場におけるセキュリティレベル向上に寄与する。
セキュリティ面では、ユーザー名・パスワードによる認証機能に加え、操作ログ記録、SSH・FTPS・HTTPSによるセキュア通信に対応。さらにOS起動時の整合性確認やアプリケーション実行制御機能を備え、改ざんや不正ソフトウェア実行のリスク低減を図った。
安全機能では、従来のFシリーズで培った安全制御技術を継承するとともに、PROFIsafeへの対応などセーフティ機能を拡充。セキュリティ機能との両立により、ロボットシステムの安定運用を支援する。
また同製品は、産業用オートメーションおよび制御システム向けサイバーセキュリティ国際標準規格「IEC62443-4-1」に基づく開発プロセスを適用している。同社は同規格の認証を取得済みで、製品提供を通じてEU機械規則やサイバーレジリエンス法に基づく脆弱性対策やセキュリティアップデート対応に貢献するとしている。
発売は2026年11月からで、ハンドリング用途向けから順次展開する。安全通信(PROFIsafe)、ユーザー認証、アクセス権限管理、通信サービス制限、パケットフィルタリング、ファイル暗号化、セキュリティログ、セキュアソフト更新などの機能を搭載する。
川崎重工業は、ロボット、航空宇宙、エネルギー、モーターサイクル、鉄道車両など幅広い事業を展開する総合エンジニアリングメーカー。ロボット事業では自動車、半導体、物流、食品など多様な産業分野向けに産業用ロボットを供給している。
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