川崎重工とTBG、世界初の商用仕様6インチ液化水素ローディングアームの共同開発を完了

・ISO24132準拠でISO認証取得、川崎LH₂ターミナルに3基設置予定

川崎重工業と、東京貿易ホールディングスのグループ会社であるTBグローバルテクノロジーズ(TBG)は10月14日、船陸間の液化水素荷役を支える世界初の商用仕様6インチ液化水素ローディングアームの共同開発を完了したと発表した。

本設備は、2018年に初号機を開発し、2022年に液化水素荷役実証ターミナル「Hy touch神戸」で世界初の液化水素荷役を成功させた「パイロット仕様」をベースに、2023年8月から商用化を見据えた設計開発とプロトタイプ機の製造・検査を進めてきたもの。2025年8月〜2026年7月にはJAXA能代ロケット実験場で液化水素を用いた実液試験を実施し、商用化に必要な技術基盤を確認して開発を完了した。

本設備は液化水素ローディングアームの国際規格ISO24132に準拠して設計・試験を行い、商用仕様としてISO認証を取得している。

■商用仕様の主な特長は以下の通り。
1)ローディングアーム
アーム構造を見直し、より大型の船舶にも対応できる長尺仕様を実現。
2)スイベルジョイント(SJ)
ジョイント部のシール構造を強化し、新たにシールガスシステムを採用して設備の信頼性を向上。シール性能維持のためのヘリウムガス消費量を低減。
3)緊急離脱装置(ERS)
緊急離脱時に発生する液化酸素を受けるドリップパンの駆動方式を油圧式から重力落下式に変更し、構造を簡素化。クランプ機構も簡素化し、信頼性および保守性を向上。
4)船陸間継手(SSC)
継手方式を挿し込み不要のフランジ式に変更し、作業負荷の低減と操作性向上、軽量・コンパクト化を達成。Class NKの技術認証に対応し、商用化に向けた実用性・適用性を強化。
製品化した商用仕様の6インチ液化水素ローディングアームは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業「大規模水素サプライチェーンの構築」における「液化水素サプライチェーンの商用化実証」に用いられる予定。日本水素エネルギー(JSE)が建設を進める川崎LH₂ターミナル(神奈川県川崎市川崎区扇島)に3基設置され、40,000㎥型液化水素運搬船への液化水素荷役に使用される。

両社は今後も本設備の国内外プロジェクトへの採用を目指し、技術開発と事業展開を加速。液化水素の大規模海上輸送に不可欠な荷役設備の実用性を高め、世界的な液化水素サプライチェーンの構築を通じてカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針。

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