三井E&Sが8月3日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結業績によると、受注高は1,050億2,900万円(前年同期比162億3,100万円増、+18.3%)、売上高は成長事業推進事業での製鉄所向け高炉用送風機建設工事やアフターサービス事業の順調な推移、周辺サービス事業での船舶ブロック製造工事・海外子会社工事の進捗などにより、917億1,200万円(同105億6,100万円増、+13.0%)となった。
営業利益は売上高増加に加え、成長事業推進事業及び周辺サービス事業の採算改善などにより101億7,800万円(同12億8,200万円増、+14.4%)、経常利益は116億5,700万円(同15億900万円増、+14.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は81億6,000万円(同9億4,600万円増、+13.1%)となった。
■連結業績の概況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、一部地域で紛争が継続したものの、米国を中心とした堅調な設備投資や個人消費を背景に、全体として緩やかな成長を維持した。国内経済も雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の持ち直しや企業収益の堅調な推移に支えられ、緩やかな回復基調が続いた。一方、米国とイランを巡る地政学的リスクは完全解消に至っておらず、各国の物価動向や金融政策、中国経済の動向、金利変動が企業活動に与える影響など、先行きには不確実性が残る。
当社グループの主力である舶用推進システム事業に関連する造船業界では、「造船業再生ロードマップ」の推進を背景に建造能力の拡大や生産性向上に向けた取り組みが加速。一部造船所で2030年納期の新造船を受注するなど、国内造船所各社の手持ち工事量は引き続き高水準を維持している。物流システム事業でも米国市場での競争優位性を維持し、アジア地域及び国内における新設・既存設備増設・老朽化に伴う更新需要が堅調に推移した。主力事業の受注環境は当面良好な状況が続くと見込んでいる。
同社は2026年5月に公表した「三井E&S Rolling Vision 2026」に基づき、中核事業のさらなる成長と新規事業の拡大を推進。マーケティングとイノベーションを両輪に、舶用推進システム事業及び物流システム事業の競争力強化を図るとともに、デジタル技術を活用した保守・メンテナンスビジネスの拡大を進め、新たな成長機会の創出に取り組んでいる。また、株主資本コスト及び負債コストを意識した経営のもと、ROICを重視した事業運営と積極的な成長投資を進め、持続的な企業価値向上を目指している。
舶用推進システム事業では、グリーン技術に基づきLNG・LPG・メタノール等の二元燃料エンジン及び周辺機器ビジネスの拡大を進めるとともに、将来のゼロエミッション燃料として期待されるアンモニア燃料への対応に向けた開発及び生産体制の強化を推進。アフターサービス分野でも高い需要を背景に収益基盤の拡大を図っている。物流システム事業では、米国及びアジア地域を中心とした旺盛な需要への対応に向け生産能力の拡充及び供給体制の強化を進めるとともに、遠隔操作・自動化クレーンや環境対応型クレーンなど、グリーン・デジタル技術を活用した製品ラインナップの拡充を推進し、世界市場におけるさらなるシェア拡大と収益力強化に取り組んでいる。成長事業推進事業では、デジタル技術を活用した保守・メンテナンス分野の強化を進め、設備点検ソリューションや遠隔監視サービス等のビジネス拡大と、エネルギー転換分野における新たな事業機会の獲得を進めている。
■セグメント別の連結業績の概況
(成長事業推進) 受注高は100億300万円(前年同期比8億4,900万円増、+9.3%)。売上高は製鉄所向け高炉用送風機の建設工事やアフターサービス事業が順調に推移したことなどにより115億4,700万円(同34億1,400万円増、+42.0%)、営業利益は工事の採算改善などにより20億5,200万円(同10億4,000万円増、+102.7%)となった。
(舶用推進システム) 受注高は671億4,100万円(同258億500万円増、+62.4%)。売上高はメタノール焚きエンジンが増加したことなどにより405億7,100万円(同25億6,300万円増、+6.7%)となったものの、営業利益は資機材価格の上昇などの影響により38億2,800万円(同2億8,700万円減、△7.0%)となった。
(物流システム) 受注高は113億9,500万円(前年同期に大型案件の受注があったことなどにより同95億5,100万円減、△45.6%)。売上高は大型工事の順調な進捗などにより171億9,400万円(同13億3,600万円増、+8.4%)、営業利益は資機材価格の上昇の影響があったものの、売上高の増加などにより30億5,100万円(同1億1,200万円増、+3.8%)となった。
(周辺サービス) 受注高は164億4,200万円(前年同期に大口工事の受注があったことなどにより同8億6,000万円減、△5.0%)。売上高は船舶ブロック製造工事や海外子会社での工事が順調に進捗したことなどにより223億6,300万円(同32億5,600万円増、+17.0%)、営業利益は売上高の増加などにより16億円(同7億2,500万円増、+82.9%)となった。
■今後の見通し
2027年3月期の通期連結業績予想については、8月3日に公表した「2027年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり修正した。第1四半期の業績は各事業セグメントで安定的に工事を遂行できたことから順調に推移。中東情勢についても調達リスク及びコスト上昇リスク等を保守的に織り込んでいたが、想定の範囲内で推移していることを踏まえ精査した結果、物流システムセグメントについて営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正した。配当性向20%を維持する方針に変わりはなく、配当予想の修正は必要な時期にお知らせする。なお、業績予想の前提となる為替レートを1米ドル=150円から158円に見直した。
修正後の通期連結業績予想は、売上高3,700億円(前期比+4.8%)、営業利益340億円(△9.7%)、経常利益390億円(△13.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益310億円(△19.4%)、1株当たり当期純利益307.23円。セグメント別では物流システムの営業利益を前回予想の80億円から100億円に上方修正し、全体で営業利益を320億円から340億円に引き上げた。
配当については、前期は年間57円(中間15円・期末42円)。今期予想は年間60円(中間30円・期末30円)を維持する。
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