
リスパック(岐阜県岐阜市)は8月26日、バイオマスプラスチック食品容器の供給体制強化とスマートファクトリー化に向け、関西工場の「第2期工事」に着手すると発表した。投資額は約60億円。成形エリアの新設、自動ラック倉庫の増設、既存工場のスクラップ&ビルドなどを進め、既存設備比で約1.5倍の生産能力を確保する。2026年12月に増築工事へ着手し、2028年からの本格稼働を予定している。
リスパックは、岐阜プラスチック工業グループのプラスチック食品容器部門を担う。関西工場は、植物由来のバイオマスプラスチック食品容器の生産拡大を目的とした次世代型パッケージ工場として、2024年4月に稼働を開始した。
稼働当初は9素材、4,600アイテムだったバイオマスプラスチック食品容器のラインアップは、環境配慮型製品への需要拡大を背景に、現在では11素材、5,400アイテムまで増加している。
今回の第2期工事は、当初計画していた設備拡張を前倒しして実施するもの。近年のナフサ調達リスクや脱炭素化、資源自立化の進展を踏まえ、植物由来プラスチックの供給体制を強化する。単なる生産能力増強にとどまらず、バイオマスプラスチック事業を同社の中核事業へ発展させるための戦略投資と位置付ける。
同社の容器売上全体に占める植物由来バイオマスプラスチック製品の比率は現在65%に達している。弁当容器本体などに使用されるPPF製品では、すでに全製品で植物由来バイオマスプラスチックを採用。今後は透明容器に使用されるA-PET製品についても、順次、植物由来素材への切り替えを進める。第2期工事を通じて、バイオマスプラスチック容器の売上構成比を80%まで引き上げる方針である。
工場のスマートファクトリー化も推進する。生産・物流インフラを拡張するとともに、工程の自動化、AIなどのデジタル技術、ロボットの導入・活用を進め、生産効率と品質の向上、安定供給体制の構築、人員配置の最適化によるコスト改善を図る。
背景には、石油資源への依存低減に向けた「脱ナフサ」の動きがある。中東情勢の混乱などを受けてナフサの調達リスクが顕在化する一方、世界では植物由来プラスチックの原料製造設備への投資が進展している。植物由来素材は環境負荷低減に加え、資源の安定確保という観点からも重要性が高まっている。
また、国内ではプラスチック資源循環促進法に加え、2026年4月に改正資源有効利用促進法(改正資源法)が施行され、再生可能資源(リニューアブル資源)の活用拡大が求められている。こうした市場・制度環境の変化も、同社がバイオマスプラスチックへの投資を前倒しする背景となっている。
さらにリスパックは、植物由来樹脂の一つであるポリ乳酸(PLA)について、乳酸成分を回収し、エネルギー資源として再利用するガス化技術の研究にも取り組んでいる。原料調達から製品化、再資源化までを視野に入れた循環型の資源モデル構築を目指す。
今回の関西工場第2期工事を通じ、生産能力の増強とスマートファクトリー化を同時に進め、バイオマスプラスチック食品容器の安定供給とコスト競争力を高める。今後は植物由来プラスチックの新素材・新製品開発も強化し、食品パッケージ分野でのバイオマスプラスチックの普及拡大につなげる。
■計画概要
・事業者:リスパック
・対象施設:関西工場
・所在地:関西工場
・投資額:約60億円
・工事内容:成形エリア新設、自動ラック倉庫増設、既存工場のスクラップ&ビルド
・生産能力:既存設備比で約1.5倍
・生産対象:バイオマスプラスチック食品容器
・スマートファクトリー化:生産・物流インフラ拡張、工程自動化、AIなどのデジタル技術・ロボット活用
・バイオマスプラスチック売上構成比:現在65%→80%を目標
・増築着工:2026年12月予定
・本格稼働:2028年予定
コメントを投稿するにはログインしてください。