・2028年11月営業運転開始へ、PPの透明化でマテリアルリサイクルを促進
ADEKA(東京都荒川区)は、高性能透明化剤「トランスパレックス(TRANSPAREX®)」の製造プラントを、連結子会社のADEKA KOREA CORPORATION(アデカ・コリア・コーポレーション)の全州第三工場(韓国・全羅北道完州郡)内に新設する。投資額は65億円。2026年12月に着工し、2028年6月の完工、同年11月の営業運転開始を予定している。
新プラントの延床面積は5,996平方メートル。同社が2018年に取得した全州第三工場の余剰スペースを活用して建設する。同工場には現在、次世代以降の半導体材料の製造設備が設置されている。今回の投資は、ADEKAによる樹脂添加剤製造設備への投資として9年ぶりとなる。
トランスパレックスは、ポリプロピレン(PP)に高い透明性を付与する透明化剤。PPは軽量で成形性に優れ、耐熱性や耐久性などの機能性も高いことから、食品包装、自動車部材など幅広い用途で使用されている。一方、透明性の低さが課題となっており、意匠性が求められる用途では他の樹脂が選択されるケースもあった。
ADEKAは2024年11月にトランスパレックスを上市。PPにガラスのような透明性を付与できることに加え、少量添加で透明性を実現できるほか、リサイクル時の性能維持、耐熱性、耐薬品性などの特性を備える。同製品は2025年に「最も透明性の高いポリプロピレン用透明化剤」としてギネス世界記録™に認定されている。
同製品は食品包装、医療、自動車部材、雑貨などで採用に向けた評価が進んでおり、世界市場で需要が拡大している。ADEKAでは、PPを透明化することで、包装材などにおけるPPへのモノマテリアル化を促進するとともに、マテリアルリサイクルの適用拡大につなげる考えだ。
今回の新プラントは、こうした需要拡大を見据えた安定供給体制の構築が狙い。現在の委託製造に加えて自社製造能力を確保し、グローバルでの販売拡大に対応する。
ADEKAグループは、トランスパレックスの販売拡大を通じて、透明化剤市場を2030年度に500億円超へ拡大することを目指す。2024年度の市場規模は300億円。同社の市場シェアについても、2024年度の14%から2030年度には60%以上への引き上げを目標としている。
今回の韓国新プラントを供給基盤の一つとして、高性能透明化剤のグローバル展開を加速し、PPのモノマテリアル化とマテリアルリサイクルの普及による資源循環の実現を目指す。
■ プロジェクト概要
所在地:ADEKA KOREA CORPORATION 全州第三工場(韓国 全羅北道 完州郡)
投資金額:65億円
延床面積:5,996㎡
着工:2026年12月
完工:2028年6月
営業運転開始:2028年11月
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