ボルボCE北米(Construction Equipment
North America ):2026年8月19日
ボルボCEは、ペンシルベニア州シッペンズバーグ(Shippensburg)工場で米国製の油圧ショベルおよび大型ホイールローダの初出荷を開始した。政府関係者や業界リーダーらが同工場を視察し、顧客により近い場所で製品を供給し、北米での事業基盤を強化する同社の取り組みを確認した。
ボルボCEは米国内での生産体制を大幅に拡充しており、北米向け機械供給の50%超をシッペンズバーグ工場で生産する体制を実現した。機械組み立ての現地化計画を発表してから1年足らずで、米国製の油圧ショベルと大型ホイールローダの初出荷に至った。同工場ではさらに11機種を追加生産する予定で、顧客への納期を6週間以上短縮する見込みだ。
同社は8月19日、議員やビジネス・業界関係者を招いたイベントを開催し、製造体制の変革と現地サプライヤー基盤の構築に向けた取り組みを紹介した。
ボルボCE北米地域責任者のスコット・ヤング(Scott Young)氏は「今日目の当たりにしているのは、製造のレジリエンスそのものだ。目的とスピードを持って適応し、生産能力を高め、顧客により近い場所で機械を製造している。この成果は、北米市場での安定性と柔軟性を強化し、従業員と地域経済を支えるというボルボCEの長期戦略を前進させるものだ」と述べた。
今回の拡充により、ボルボCEの北米生産ポートフォリオは油圧ショベル、ホイールローダ、コンパクタを含む30機種に拡大した。直近の4,000万ドルの投資を含め、2007年以降の累計投資額は14億ドルを超える。これにより年間生産能力を3倍に高め、成長とデジタル化に対応する人材育成を進めてきた。
ボルボCEは2007年にインガーソル・ランド(Ingersoll Rand)から同工場と道路建設事業部門を買収し、2012年に北米本社をここに置いた。現在、同拠点では750人超が勤務している。
ジョン・ジョイス(John Joyce)下院議員(医学博士)は「ボルボCEは、米国製造業への投資と再生に真摯に取り組んできた。シッペンズバーグのこの工場は、世界水準の建設機械を製造するだけでなく、地域の家族や労働者に機会を生み出している。ペンシルベニア州は常に国の製造戦略に大きく貢献してきた州であり、今回の拡充はその未来でもリーダーであり続けることの証明だ」と述べた。
グローバルに考え、ローカルに実行する
ボルボCEは北米での能力拡充を大きく進めてきた一方、それを支える現地サプライチェーンの強化は段階的に進められており、同社および建設機械製造業にとって最も重要な機会であり課題の一つだ。
ボルボCE米州購買責任者のトッド・パップル(Todd Papple)氏は「強固で相互に利益のあるサプライヤー関係は、何十年にもわたりボルボCEのサプライヤーとの付き合い方の基本だった。しかし成功には、企業、経済開発組織、地域社会が連携するより広いエコシステムがますます必要になっている」と指摘する。
今回のイベントでボルボCEは、2030年までにペンシルベニア州内サプライヤーとの取引を30%拡大する目標を発表した。この目標達成には、サプライヤーがメーカーの仕様と数量に対応しつつコスト競争力を維持できるよう、投資に踏み切れる信頼関係が不可欠だ。
この取り組みを支援するため、ボルボCEはフランクリン郡地域開発公社(Franklin County Area Development Corporation)と連携し、グローバルな油圧ショベル用カウンターウエイト(counterweight)サプライヤーの地域拠点設立を後押しした。同サプライヤーは現地施設に150万ドル超を投資し、ジャストインタイムでシッペンズバーグ工場にカウンターウエイトを納入する体制を構築し、雇用を創出する。
こうした官民連携は、サプライヤーがメーカーと共に安心して投資できる環境を整える上で不可欠だ。
■社内からの成長
オペレーションの柔軟性を高めることで、ボルボCEは地政学的な動向や建設機械業界特有の景気循環に対応しやすくなった。
同社は自動化、工程改善、既存工場スペースの効率的活用により生産能力を向上させ、既存の製造スペースと人員を維持しながら成長を実現した。
組立・製作を合わせた43万6000平方フィート(約4万500㎡)の工場スペースを再設計し、油圧ショベル、ホイールローダ、コンパクタの全機種に対応可能な3本の柔軟な生産ラインを構築。新たに油圧ショベルの溶接能力も増強した。
既存従業員のスキル向上のため、スウェーデン、韓国、ブラジルの姉妹工場でのオンサイト・オフサイト研修に投資し、新たな技術スキルと専門知識を身に付けさせた。従業員は個人で180時間超の研修を完了し、貴重な異文化経験も積んだ。
北米拠点では大型ホイールローダ生産向けに新たな「ユーティリティスペシャリスト」方式も導入した。同機種は同一ラインで30%多い部品と複雑さを要するため、従業員を複数ゾーンでクロストレーニングし、追加労働が必要なステーションを支援することで、安定した作業フローを維持している。この働き方の革新とパイロットでの知見は、油圧ショベルラインにも応用可能で、ボルボCEの世界各地の拠点とも共有できる。
ボルボCEシッペンズバーグ工場オペレーション責任者のグスタフ・カサグランディ(Gustavo Casagrandi)氏は「過去11カ月間、我々のチームはシッペンズバーグでの生産能力拡充に対し、並外れたコミットメントと実行力を発揮した。その過程で従業員に新たな技術能力が培われ、製造拠点としてのレジリエンスと競争力が高まった」と語る。
シッペンズバーグの技術チームも、単一製品中心から製品ポートフォリオ全体でリソースを柔軟に配置する運営モデルへと進化している。
製造とエンジニアリングをより統合的に進めるこのアプローチにより、ボルボCEは北米顧客へのサポートを強化しつつ、よりレジリエントで、迅速に対応でき、持続可能な未来への基盤を築いている。
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