電気興業子会社デンコーテクノヒート、鈴鹿工場を移転新設

・27年3月建屋完成、DX・自動化で生産能力30%向上

電気興業(東京都江東区)は8月20日、子会社のデンコーテクノヒート(愛知県刈谷市)が、三重県鈴鹿市国府町に鈴鹿工場を移転新設すると発表した。新工場は2027年3月の建屋完成を予定し、同月から設備移設と順次稼働を開始、28年1月までに全設備の移設を完了する計画である。

現鈴鹿工場は、高周波誘導加熱による熱処理加工の拠点として長年稼働してきたが、建物の老朽化やスペース不足から、生産能力の拡張や多様化する顧客ニーズへの対応、環境負荷低減、作業環境の改善などが課題となっていた。

新工場では、現工場の約2.4倍となる敷地を確保。DX(デジタルトランスフォーメーション)や自動化技術を積極的に導入し、次世代型のモデル工場を目指す。

生産面では、入荷エリアと出荷エリアを分離し、製品移動のロスを抑えた効率的な生産導線を構築する。さらに、各種高周波誘導加熱設備へのロボット導入を進め、熱処理工程を中心に自動化を推進する。これらの施策により、生産能力を現工場比で30%向上させる計画である。

また、新技術の開発を伴う高付加価値な熱処理試作への対応を強化し、多様化する顧客ニーズに対応するとともに、従業員の技術・技能向上にもつなげる。

環境面では、工場屋根に発電容量約244kWの自家消費型太陽光発電設備を設置する計画。発電電力を工場内で使用し、再生可能エネルギーの活用とCO2排出量の削減を進める。

BCP(事業継続計画)対策も強化する。新工場は海抜約42mの高台に立地し、現工場の海抜約24mから約18m高い場所へ移転する。南海トラフ地震などに伴う津波による浸水リスクを低減し、従業員の安全確保と重要設備の保全を図る。

職場環境では、明るく清潔な工場環境を整備するほか、作業環境の改善や福利厚生施設を充実させる。2階には食堂や多目的スペースなどの共用施設を設け、従業員同士のコミュニケーション活性化とエンゲージメント向上を図る。

デンコーテクノヒートは、今回の鈴鹿工場移転新設を事業構造改革のモデルケースと位置付ける。新工場で蓄積するDX・自動化の実績やノウハウを他工場にも展開し、グループ全体の生産性向上と競争力強化につなげる。

■移転スケジュール
2027年3月:工場建屋完成予定、設備移設開始・順次稼働
2028年1月:全設備移設完了予定

ニュースリリース