・使用済みプラスチック再資源化を本格加速、千葉・愛知に新設候補
出光興産(東京都千代田区)は6月30日、子会社のケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)と連携し、使用済みプラスチックを原料とする油化ケミカルリサイクル設備の2号機建設に向けた基本設計を開始すると発表した。
立地候補は同社の千葉事業所(千葉県市原市)および愛知事業所(愛知県知多市)の隣接エリア。循環型経済の実現と資源安全保障強化に向けた同社のサーキュラービジネス戦略の重要な一手となる。
1号機(千葉県市原市)で既に商業運転を開始した実績と知見を最大限に活かし、2号機の設備仕様やプロセス詳細を精査する。投資決定時期については、再生プラスチックの使用義務化に関する制度動向や市場需要の見通しを踏まえて判断する方針。
■油化技術で「都市油田」を活用
本事業では、家庭や企業から排出される使用済みプラスチックを独自の油化技術で処理し、軽質原油相当の「CR油」を生産する。このCR油を同社グループの石油精製装置・石油化学装置に投入し、マスバランス方式を適用することで、石油由来と同等の品質を持つ「ケミカルリサイクル化学品」を製造する仕組み。
欧州では包装・包装廃棄物規則(PPWR)の成立により再生プラスチック含有率の義務化が進み、日本でも改正資源有効利用促進法の施行に伴い企業による使用目標設定の動きが活発化している。従来焼却・埋め立て処分が主流だった使用済みプラスチックを、石油代替資源として有効活用するニーズが急速に高まる中、出光興産の油化ケミカルリサイクル技術は注目を集めている。
同社は2026年5月に公表した中期経営計画(2026~2030年度)において、「循環型経済の拡大を見据えたサーキュラービジネス展開」を成長分野の一つに位置づけており、本2号機計画はその具体的な実行策となる。
CRJとの連携により、使用済みプラスチックの資源循環をさらに推進し、石油化学産業における脱炭素・資源循環のモデルケースを構築する狙い。
■計画概要
- 事業内容: 使用済みプラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクル設備2号機の建設
- 推進体制: 出光興産株式会社および子会社ケミカルリサイクル・ジャパン株式会社(CRJ)
- 立地候補: 千葉事業所隣接エリア(千葉県市原市)、愛知事業所隣接エリア(愛知県知多市)
- 工程: 現在基本設計中 → 将来投資決定(制度動向・需要見通しを踏まえ判断)
- 生産物: CR油(ケミカルリサイクル油) → マスバランス方式によるケミカルリサイクル化学品
- 位置づけ: 中期経営計画におけるサーキュラービジネス拡大の一環、循環型経済と資源安全保障への貢献
出光興産は本計画を通じて、プラスチック資源の国内循環システム構築に大きく寄与するものと期待される。