メッツォ、電池材料向けリチウム炭酸塩製造プロセスの次世代技術を発表

メッツォ(Metso):2026年5月26日

メッツォは、スポジュメン精鉱から電池グレードのリチウム炭酸塩を高歩留まりかつ低運転コストで製造する次世代リチウム炭酸塩プロセスを発表した。単一パス方式を採用し、工程簡素化と持続可能性向上を実現する技術として、世界的な電池材料需要の拡大に対応する。

今回発表した新プロセスは、メッツォのリチウム処理ソリューション群を強化するもので、エネルギー転換に不可欠な重要鉱物向け処理技術の供給企業としての地位を高める狙いがある。

世界のリチウム需要は、輸送分野の電動化、再生可能エネルギー導入拡大、蓄電池需要増加を背景に今後さらに拡大すると見込まれている。特に、リン酸鉄リチウム電池(LFP:Lithium Iron Phosphate batteries)の普及を受け、鉱物原料由来のリチウム炭酸塩製造への関心が高まっている。

メッツォのリチウム部門テクノロジーマネージャー、マリカ・ティーホネン(Marika Tiihonen)氏は、「実績ある熱処理技術と湿式製錬技術を組み合わせ、エンドツーエンドのフローシート設計能力や地域サービス網を活用することで、高稼働率のリチウム処理プラントを提供できる。安全性・信頼性・効率性を備えた運転を実現し、リチウムバリューチェーン全体で顧客支援を強化する」とコメントした。

同社によると、新プロセスはスポジュメンから電池グレードのリチウム炭酸塩を1回の工程で精製できるのが特徴。従来工程で発生しやすい硫酸ナトリウムなどの副生成物を抑制し、工程数削減によって設備投資負担の低減、運転安定性向上、プラント設計簡素化、立ち上げ期間短縮につなげる。

プロセスの中核となるのは、ソーダ加圧浸出(Soda Pressure Leaching)技術で、不要不純物の溶解を抑えながら選択的にリチウムを抽出する。改良型の炭酸化・脱炭酸プロセスによって、単一パスで電池グレードのリチウム炭酸塩を製造できるほか、残渣は中和済みの状態で排出されるため、処分や再利用が容易になるという。

さらに同社は現在、アルカリ浸出工程で使用する薬品を再生利用する「サーキュラーメタラジー(Circular Metallurgy)」コンセプトの開発・検証も進めている。

メッツォは20年以上にわたり、硬岩系リチウム原料向けアルカリ浸出技術を開発してきた実績を持つ。今回のリチウム炭酸塩プロセスは、既存の水酸化リチウム製造技術群を補完するもので、鉱石選鉱から電池材料化学品製造まで、顧客に柔軟な操業最適化手段を提供する。

同社は今後も重要鉱物向け持続可能技術の研究開発投資を継続し、顧客の生産効率向上、排出削減、規制対応を支援していく方針。

フィンランド・エスポー(Espoo)に本社を置くメッツォは、骨材、鉱物処理、金属精錬分野向けに持続可能技術やサービスを展開。2025年末時点で約50カ国に約1万8000人の従業員を擁し、2025年売上高は約53億ユーロ。ナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)に上場している。

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