ヤンマー、ラウンジシップとトラクター「YT6」が2026年度グッドデザイン賞

・ラウンジシップはベスト100にも選出

ヤンマーホールディングスは10月15日、グループ会社が手がけた2製品が日本デザイン振興会主催の「2026年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表した。受賞したのは、ヤンマーマリンインターナショナルアジアが野村不動産と共同開発した「BFS LOUNGE SHIP / LX56AZ」と、ヤンマーアグリのトラクター「YT6」。このうちラウンジシップは、受賞作の中から選ばれる「グッドデザイン・ベスト100」にも入った。

■運河の制約に応えた船体で、街と水辺をつなぐ

「BFS LOUNGE SHIP / LX56AZ」は、大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA」で水辺と都市をつなぎ、東京の新たな体験価値を生み出すことを狙った船。橋桁の高さや水深といった都心の運河特有の条件に合わせた船体とし、大きな窓から眺望と自然光を取り込む船内空間を設けた。ホテルと体験が連続するよう意識した内装に加え、船体の揺れを抑える安定化装置を搭載し、快適な乗り心地を確保している。

審査では、単なる船舶ではなく街と東京湾を連続させる「動くラウンジ」として設計した点が注目された。ヤンマーの造船技術とフェアモント東京の世界観につながる内装を融合し、移動・滞在・眺望を一つの体験にまとめたことも評価されている。さらに、都市の水辺を裏側ではなく新たな正面と捉え直し、船から東京を見るという視点自体を価値に変えたとの指摘もあった。プロダクト、空間、サービス、都市開発にまたがり、新たな舟運文化まで提案するスケールの大きさが評価の背景にある。

■大型トラクター「YT6」、視界と操作性を両立

「YT6」は、農地集約による経営の大規模化や、就農者の減少・高齢化を背景とした省力化・高効率化のニーズに応える大型トラクター。ブランドを象徴する「Y」をモチーフにしたフロントフェイスを採用し、前方視認性を高めるボンネット形状と、330°の広い視野を確保する曲面一枚ガラスで、作業状況を確認しやすいキャビンを実現した。

操作面では、無段変速トランスミッションと効率的に配置した操作系に加え、自動制御などの機能をタッチパネルに集約した。大型機でも直感的に扱えることを目指している。

審査員は、エンジンや油圧を冷やす十分な開口面積といった機能性を、大型機らしい力強さと軽快な機動性を感じさせる意匠にまとめた点を評価した。エアサスペンションシートやサンルーフを備えた高視界・高快適性のキャビンや、機能をタッチパネルに集約した操作系も先進的とした。意匠性、作業性、操作性、居住性を高い水準で総合した、次世代トラクターのフラッグシップ機と位置づけている。

■海・陸の両分野で評価

今回の受賞は、マリンと農業機械という異なる分野で同時にデザイン面の評価を得た形だ。ヤンマーは1912年に大阪で創業し、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した。現在はアグリ、建機、マリン、エネルギーシステムなどの事業をグローバルに展開している。

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