NVIDIA(エヌビディア)は7月16日、Noetra(ノエトラ、東京都渋谷区)と連携し、世界初となる国家規模のフィジカルAI向けインフラ「NVIDIA Vera Rubin AIファクトリー」を構築すると発表した。経済産業省が推進する「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業(FRONTiaプロジェクト)」の計算基盤として活用され、日本の製造業や物流、ヘルスケア、通信分野におけるAIエコシステムの強化を目指す。
新たなAIファクトリーは、Noetraが構築・運営し、NVIDIA DSXプラットフォームをベースに、13,750基以上のNVIDIA Vera CPUと27,500基以上のNVIDIA Rubin GPUを搭載する。データセンター容量は140MWに達し、NVIDIA Spectrum-X EthernetネットワークやBlueField DPUを組み合わせることで、大規模AIモデルの学習や推論に対応する。
施設では、AIエージェント、デジタルツイン、ロボティクス、フィジカルAIアプリケーション向けのオープンなマルチモーダル基盤モデルを開発する。Noetraが学習した基盤モデルの事前学習済みウェイトは、NVIDIA Nemotron、Cosmos、Isaac GR00T、NeMoなどのソフトウェアとともに国内の企業や研究機関へ提供され、日本全体でのAI開発を促進する計画である。
同AIファクトリーは、経済産業省が推進するFRONTiaプロジェクトの中核インフラとして位置付けられる。同プロジェクトでは、日本が持つ製造現場の知見や産業データと、世界最先端のAI技術を融合し、信頼性の高い国産マルチモーダル基盤モデルの開発を進める。
NVIDIA創業者兼CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は、「日本は今日の製造業を築き上げた国であり、現在は次の産業革命を支えるAIファクトリーの構築に取り組んでいる。日本政府と産業界のリーダーとともに、日本の産業、経済、そして次世代イノベーションを支えるAIインフラを構築できることを光栄に思う」とコメントした。
経済産業大臣の赤澤亮正氏は、「FRONTiaプロジェクトを通じ、日本のものづくり技術と世界の優れたイノベーターとの協業により、信頼性の高いマルチモーダル基盤モデルを構築し、世界共通の社会課題の解決に貢献していく」と述べた。
Noetra代表取締役社長の丹波廣寅氏は、「フィジカルAIの社会実装には膨大な計算資源とデータが不可欠であり、一企業だけでは実現できない。国内外のパートナーと連携し、日本主導のAI基盤モデルを構築するとともに、その成果を広く共有することで、日本産業へのフィジカルAI導入を加速させたい」としている。
AIファクトリーは、NVIDIA DSXリファレンスアーキテクチャに基づき設計され、AI学習性能の向上、トークン処理コストの削減、運用効率の向上を実現する。また、1兆パラメータ規模のAIモデルの学習にも対応し、日本全国の企業や研究機関が最先端のAI計算環境を利用できるようにする。
■プロジェクト概要
プロジェクト名:NVIDIA Vera Rubin AIファクトリー構築プロジェクト
事業主体:Noetra株式会社、NVIDIA(エヌビディア)
支援:経済産業省(FRONTiaプロジェクト)
主な設備:
・NVIDIA Vera CPU:13,750基以上
・NVIDIA Rubin GPU:27,500基以上
・データセンター容量:140MW
・NVIDIA DSXプラットフォーム
・NVIDIA Spectrum-X Ethernet
・NVIDIA BlueField DPU
主な用途:
・マルチモーダル基盤モデル開発
・AIエージェント
・デジタルツイン
・ロボティクス
・フィジカルAIアプリケーション
対象産業:
・製造
・物流
・ヘルスケア
・通信
今回の国家AIインフラ構築は、日本政府が掲げるAI・ロボティクス戦略を支える基盤整備の中核となる取り組みであり、日本の製造業のデジタル変革やフィジカルAIの社会実装を加速する重要なプロジェクトとして注目される。