・欧州での工作機械事業基盤を強化、自動化提案力を生かし高付加価値ソリューション展開へ
丸紅は7月10日、スイスおよびオーストリアで工作機械、周辺機器、自動化設備の販売・保守事業を手掛けるTOLUS Group AG(トルスグループ、スイス)を完全子会社化したと発表した。発行済み株式100%を取得したもので、これにより丸紅は欧州市場における工作機械販売事業へ本格参入し、グローバルな工作機械事業プラットフォームの拡充を図る。
工作機械は、自動車、半導体、医療機器、精密機器など幅広い製造業を支える基盤設備であり、世界市場規模は約900億~1000億米ドルと推計されている。今後も2025年から2030年にかけて年平均7%の成長が見込まれている。
欧州は世界第2位の工作機械市場であり、なかでもスイス・オーストリアは、高級時計、医療機器、自動車関連など、高精度加工を必要とする産業が集積している。
TOLUSは、前身企業であるSuvema(1974年創業)、Newemag(1975年創業)の事業を基盤に、50年以上にわたりスイス・オーストリア市場で日系トップメーカーの工作機械を取り扱ってきた。これまでに累計5000台以上の販売実績を持ち、精密加工分野を中心に高い販売・サービス基盤を構築している。
同社は工作機械の販売に加え、省人化や生産効率向上に向けた自動化システムの設計・提案にも対応できるエンジニアリング力を強みとしており、両国の製造業顧客に対して設備導入から保守まで一貫したサービスを提供している。
丸紅はこれまで70年以上にわたり、米国、メキシコ、ベトナム、ブラジル、インドなど世界各地で日本製工作機械の販売事業を展開してきた。また、製造現場の自動化・省人化ニーズに対応するため、エンジニアリング機能を強化し、生産ライン全体の最適化を提案する高付加価値型ソリューションの提供にも注力している。
今回の買収により、丸紅はTOLUSが持つ欧州での販売・サービス網と、同社が培った精密加工分野の知見を取り込み、工作機械事業におけるグローバル展開を加速する。
丸紅は中期経営戦略「GC2027」において、「成長領域×高付加価値×拡張性」を備えた戦略プラットフォーム型事業を重点分野として位置付けている。今回のTOLUS買収を通じ、精密機器など高付加価値製品を生産する欧州製造業に対し、最適な工作機械設備とエンジニアリングサービスを提供していく。
近年、製造業では生成AIの普及に伴うAIデータセンターや次世代半導体関連部品の需要拡大に加え、フィジカルAIの進展によるロボット用高精度部品の需要増加も期待されている。こうした最先端分野では、高精度加工技術への要求が一段と高まっており、丸紅は日本の工作機械技術を世界市場へ展開することで、顧客の生産性向上や技術革新を支援していく方針である。
■TOLUS Group AG概要
会社名:TOLUS Group AG(トルスグループ)
所在地:スイス
設立:2022年
代表者:Pirmin Zehnder
事業内容:工作機械・周辺機器・自動化設備の販売・保守事業
Webサイト:https://tolus.com/de/
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