・圧力信号のみでアウトリガー展開・格納を自動判定、センサー追加を最小限に抑え作業の自動化と信頼性向上を実現
パルフィンガー (Palfinger):2026年7月9日
パルフィンガー・エプシロン(Palfinger Epsilon)は、油圧圧力信号を活用してクレーンのアウトリガー展開・格納作業を自動制御する新たなコンセプト技術を発表した。特徴的な油圧圧力信号を検知・判定することで、各工程を正しい順序で自動実行し、追加センサーを最小限に抑えながら、安定した繰り返し作業を実現することを目指す。
同技術は、水平アウトリガービーム(スライド式または伸縮式)と垂直支持脚を備えたアウトリガー機構を対象としたもので、クレーンブームの旋回や起伏、伸縮などの作業動作は対象外としている。
アウトリガー操作は、複数のサブステップで構成される一連のシーケンスとして制御される。通常は、水平アウトリガービームを機械的ストッパー位置まで展開した後、支持脚を接地させ、車両荷重を支持脚へ移すための予荷重(プリロード)を与え、必要に応じて車体を所定範囲内で水平に調整する。格納時は、この手順を逆順で実行する。
各サブステップには、それぞれ固有の圧力信号特性が割り当てられており、現在の工程に対応する信号が検知・確認された場合のみ、その工程を完了と判定し、次の工程へ移行する。常に一つのサブステップのみが実行されるため、制御の信頼性向上につながる。
圧力信号は、ポンプやマニホールドの主圧ラインなどの集中測定点、あるいは各アクチュエーターで取得される。電子制御ユニット(ECU)は、一定時間継続する圧力変化を解析し、あらかじめ登録された圧力特性と照合する。
判定対象となる圧力特性には、設定圧力を0~2秒未満の短時間超過する現象、圧力変化率(dp/dt)による接地判定、さらに機械的ストッパー到達やプリロード完了を示す圧力のプラトー(一定値維持)や飽和状態などが含まれる。しきい値は絶対値だけでなく、最大設定圧力に対する割合でも設定できる。
現在動作中のアクチュエーター専用の圧力センサーがなくても、システム全体の圧力パターンから現在の工程を明確に識別できれば制御可能としており、センサー構成の簡素化にも寄与する。
制御アルゴリズムは、状態遷移(ステートマシン)方式を採用した電子制御ユニット上で実装される。時間窓や許容値、デジタルフィルターをパラメータ化することで、H型、X型、スイングアウト型など異なるアウトリガー構造や、ロードセンシング方式、定圧方式など多様な油圧システムへの対応を可能としている。
また、安全機能として圧力上限管理、各工程のタイムアウト監視、異常判定などを備えるほか、必要に応じて手動操作へ切り替えることもできる。検知した圧力信号やイベントは記録され、保守や故障診断、性能検証に活用される。
具体例として、水平アウトリガービームの展開時には、機械的ストッパー到達時にシステム圧力が短時間設定値を超え、その状態を一定時間維持することで工程完了を判定する。また支持脚下降時には、接地時に発生する特徴的な圧力上昇とプラトー状態を検知する。プリロード工程では、所定圧力を一定時間維持することで目標荷重到達を確認する。格納時は逆順で制御され、支持脚が完全収納位置に達したことも上部ストッパーで発生する圧力特性から自動判定される。
パルフィンガー・エプシロンによると、この技術は現在コンセプト段階の技術プレリリースであり、各種パラメーターやインターフェース、製品仕様などの詳細は、今後の製品化開発の進展に合わせて公表する予定である。
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