三井住友建設、ロックボルト自動打設システムを実用化、遠隔操作で1人施工を実現

・安全性と省人化を両立

三井住友建設は7月6日、山岳トンネル工事におけるロックボルト打設作業の省人化・省力化と安全性向上を目的としたロックボルト自動打設システム「SMC-Tunnelingシリーズ『離れteロック』」を開発し、国土交通省中国地方整備局発注の「俵山・豊田道路第2トンネル工事」に導入したと発表した。従来5人程度を要していたロックボルト打設作業を、ドリルジャンボのオペレータ1人による遠隔操作で施工できることを確認し、切羽(掘削面)から離れた安全な位置での施工を実現した。

山岳トンネル工事では、ロックボルト打設時に肌落ちなどの危険がある切羽付近で、複数の作業員がモルタル充填や重量物であるロックボルトの挿入を人力で行うのが一般的だった。一方で建設業界では労働力不足や熟練技能者の減少が進んでおり、施工の機械化・自動化による省人化と安全確保が大きな課題となっている。

今回開発した「離れteロック」は、3ブーム2バスケット式ドリルジャンボをベースに、中央ブームへロックボルト打設ユニット、左右ブームへ穿孔ユニットを搭載。穿孔からモルタル充填、ロックボルト挿入、座金背面の空隙処理までを一連で自動化し、作業員が切羽付近へ立ち入ることなく施工できる。

システムには、車体周囲を死角なく確認できる機体誘導カメラシステムを搭載し、誘導員を配置せずに機体移動が可能。また、自社開発の3D LiDARを活用した「ロックボルト可視化誘導システム」により、点群データをリアルタイムでモニター表示し、打設位置へのブーム誘導を支援する。従来必要だったマーキング作業を不要とし、施工効率を高める。

さらに、モルタル自動供給システムによりポンプ操作員を不要としたほか、ロックボルト打設ユニットによってモルタル充填とボルト挿入を運転席から遠隔操作で実施。加えて、自社開発の「FitPack」を採用し、ロックボルト打設と同時に座金背面の空隙を充填することで、人力による間詰め作業も省略できる。

現場では、ロックボルト出来形計測システムも併用し、打設から出来形管理までの一連の工程で省人化・省力化を確認した。同社は今回の導入成果を踏まえ、操作性の向上などシステムの高度化を進めるとともに、「SMC-Tunnelingシリーズ」として各種施工技術を連携・発展させ、トンネル工事全体の自動化を推進していく方針だ。

■現場概要
工事名:令和5年度俵山・豊田道路第2トンネル工事
発注者:国土交通省 中国地方整備局 山陰西部国道事務所
施工者:三井住友・岩田地崎特定建設工事共同企業体
工事場所:俵山・豊田道路(延長13.9km)のうち、俵山北IC~(仮称)俵山温泉IC区間
工事概要:工事延長1,300m(トンネル延長1,267m)、発破掘削、仕上がり内空断面積99.4㎡(DI)、掘削・支保・覆工延長1,267m。

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