コネクレーンズ(Konecranes):2026年7月24日
コネクレーンズは2026年上期 (1~6月)決算を発表した。第2四半期(4~6月)は全事業分野で受注が伸長し、受注高は前年同期比13.2%増となった。一方、売上高は納入時期の影響で減収、利益も販売数量減少の影響を受けたが、高水準の受注残を背景に下期の納入拡大を見込む。2026年通期業績見通しは据え置いた。
■上期は受注・受注残ともに拡大
2026年上期の受注高は前年同期比6.9%増の23億700万ユーロ(為替一定ベースでは8.7%増)となった。インダストリアル・イクイップメント(Industrial Equipment)とポート・ソリューションズ(Port Solutions)が受注を伸ばし、インダストリアル・サービス(Industrial Service)は前年並みを維持した。
受注残は16.1%増の33億8,450万ユーロとなり、為替一定ベースでは15.0%増加。インダストリアル・サービスの保守契約ベース価値も6.1%増の3億5,150万ユーロへ拡大した。
一方、売上高は5.3%減の19億2,740万ユーロ。インダストリアル・イクイップメントは増収だったが、インダストリアル・サービスとポート・ソリューションズが減収となった。
比較可能EBITAは2億3,520万ユーロ(前年同期2億5,930万ユーロ)、EBITA率は12.2%(同12.7%)。希薄化前1株利益(EPS)は0.66ユーロ(同0.73ユーロ)だった。
財務面では、純有利子負債は2,230万ユーロまで圧縮され、ギアリング比率は1.1%(前年同期9.0%)へ改善した。
■第2四半期は受注13%増
4~6月期の受注高は13.2%増の12億4,100万ユーロとなり、全事業分野で前年を上回った。
売上高は3.1%減の10億1,950万ユーロ。比較可能EBITAは1億2,950万ユーロ(前年同期1億5,030万ユーロ)、EBITA率は12.7%(同14.3%)だった。フリーキャッシュフローはマイナス2,020万ユーロとなり、前年同期の1億1,840万ユーロから悪化した。
■納入時期の影響で減収も受注環境は堅調
マルコ・トゥロカス(Marko Tulokas)CEOは、「第2四半期は受注面で非常に力強い四半期となり、3事業すべてで旺盛な受注活動が見られた」と総括した。
売上減少については、「主に受注残の納入タイミングによるものであり、中東情勢による顧客向け納入への新たな影響は生じていない」と説明。燃料費や物流費は上昇したものの、自社施策によって吸収したとしている。
また、受注残は四半期末時点で34億ユーロと過去最高水準に達し、「前年を大きく上回る受注残を確保しており、下期は納入増加を見込んでいる」と述べた。
■事業別動向
インダストリアル・サービス(Industrial Service)では、第2四半期受注高が為替一定ベースで5.2%増の3億9,900万ユーロとなった。売上高は3億7,700万ユーロへ微減し、EBITA率は販売数量減少を受け21.2%(前年22.6%)となった。AIを活用した営業・サービス支援ツールの機能強化やオンライン顧客体験の改善も進めた。
インダストリアル・イクイップメント(Industrial Equipment)では、外部受注高が18.9%増の3億5,000万ユーロとなった。北米を中心とした防衛分野に加え、電力・航空分野でも需要が堅調に推移。売上高は為替一定ベースで9.0%増の3億400万ユーロ、EBITA率は販売数量増加と価格改善により6.9%へ上昇した。
ポート・ソリューションズ(Port Solutions)では、受注高が16.9%増の5億900万ユーロとなった一方、売上高は12.9%減の3億5,500万ユーロとなった。EBITA率は10.8%で、販売数量減少が利益率低下の要因となったが、米国関税還付が一部寄与した。
同事業の受注残は18億ユーロへ拡大した。また、2026年末までに全製品ラインを電動化する目標を前倒しで達成。5月に電動リーチスタッカーを投入したことで、リフトトラック製品群全体で電動仕様を提供できる体制を整えた。
■M&Aで日本市場を強化
同社は成長戦略の柱であるM&Aも積極化している。
7月には、日本の三菱電機FA産業機器事業(Mitsubishi Electric FA Industrial Products)の過半数持分取得を発表。世界有数のワイヤロープホイスト市場への本格参入を可能にし、地理的事業基盤を強化する案件と位置付けている。
このほか、タイ、ニュージーランドでのインダストリアル・サービス事業拡充や、スペインでのクレーン・港湾サービス網強化を目的とした買収も実施している。
■通期見通しは据え置き
同社は2026年の需要環境について、「産業向け顧客市場は健全な水準が続く」との見方を示した。港湾分野でもコンテナ取扱量は高水準を維持し、中長期的な市場見通しは良好としている。一方で、地政学リスクや通商政策を巡る不透明感は引き続き高いとした。
2026年通期業績予想は据え置き、売上高は2025年並みまたは増加、比較可能EBITA率も2025年並みを見込んでいる。
なお、同社は10月23日にキャピタル・マーケット・アップデート(Capital Markets Update)を開催し、中長期戦略や成長方針について説明する予定である。
■コネクレーンズ(Konecranes)について
コネクレーンズは、産業用クレーンや港湾荷役機械、保守サービスなどを展開する世界有数のマテリアルハンドリング機器メーカー。50カ国以上で約1万6,500人を擁し、製造業、物流、港湾など幅広い産業分野へ製品・サービスを提供している。2025年のグループ売上高は42億ユーロ。株式はナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki、証券コード:KCR)に上場している。
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