DMG森精機、超音波加工機「ULTRASONIC 80 Precision」を世界初公開、硬脆材料の高精度・高効率加工に対応

DMG森精機(DMG MORI)は6月24日、超音波技術をさらに進化させた新型5軸加工機「ULTRASONIC 80 Precision」を世界初公開した。半導体をはじめとするハイテク産業で需要が高まる炭化ケイ素(SiC)や超硬合金、Zerodur製ステージユニットなど硬脆(こうぜい)材料の高精度・高効率加工に対応し、超音波援用加工による工程集約と自動化を推進する。

同社はEMO 2025で発表した「ULTRASONIC 60 Precision」に続くPrecisionシリーズの新機種として投入。作業空間は800×600×510mmで、最大直径800mm、最大高さ400mm、最大重量350kgのワークを加工できる。

最大の特徴は、切削・研削加工に超音波振動を組み合わせた超音波援用加工技術にある。最大2万min-1のspeedMASTER主軸とHSK-63対応のULTRASONICアクチュエータを搭載し、回転運動に超音波振動を重ね合わせることで工具とワークの接触を断続化。加工負荷を低減しながら安定した材料除去を実現し、微細亀裂の発生を抑制するとともに工具寿命の延長にも寄与する。

機械構成では、旋回範囲-35~+110°のB軸と最大300min-1のC軸を備えたロータリーテーブルを採用し、柔軟な5軸同時加工に対応。標準装備の「ULTRASONIC axialGRINDING」により、高精度な円筒研削加工も可能とした。

精度面では、位置決め精度5μm、真円度6μmを標準で実現。一体構造ベッドや高剛性鋳物、幅広ガイドを採用した高剛性設計に加え、リニアガイドの冷却技術によって熱変位を抑制し、高い加工精度を確保している。

生産性向上では、60本工具マガジンを標準搭載し、オプションで120本まで拡張可能。さらに、「Robo2Go Milling」や「MATRIS」によるワーク搬送システム、「PH 150」「PH Cell 300」などのパレット搬送システムと組み合わせることで、自動化と設備稼働率の向上を図る。

操作系には、シーメンス(Siemens)製「SINUMERIK ONE」をベースに「CELOS X」を搭載した「ERGOline X」操作パネルを採用。デジタル化やネットワーク化への対応を強化するとともに、DMG MORI独自の超音波加工サイクルによりプログラミングの効率化も支援する。

環境性能では、省エネ機能「GREENMODE」の採用により、従来機比で20%以上の消費電力削減を実現。硬脆材料加工の工程集約と自動化を軸とする同社の「マシニング・トランスフォーメーション(MX)」を具現化する製品として、半導体など先端産業向けの高精度加工需要への対応を強化していく。

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