酒井重工、25年度売上は1.1%減の275億4千万円、26年度予想は10.7%増の305億円

酒井重工業が5月13日に発表した2026年3月期(2025年度)における売上高は、販売減速基調が漸く底打ちしたものの依然として前年同期比1.1%減の275億4,000万円となった。営業利益は、原価率改善により前年同期比0.3%増の15億8,800万円、経常利益は同5.8%増の15億8,100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益9億4,300万円を計上したことにより、前年同期比22.8%増の17億6,300万円となった。

2025年度における酒井重工業グループを取り囲む事業環境は、超大国のパワーゲームによる世界秩序のスクラップ&ビルドが進む中、米国高関税政策の強行や中東情勢緊迫化に伴うスタグフレーションリスクの高まりなど、不確実性が強まる世界情勢の中で推移した。一方で実体経済は、第四次産業革命であるAI技術の社会実装と巨大投資が加速度的に進むとともに、世界のインフラ投資が増加する中、建設機械市場も底入れ基調に入ってきた。このような情勢の下で酒井重工業グループでは、価格戦略と高付加価値化による収益構造改革、雇用環境整備と現場技能者増強による人的組織能力向上、市場環境変化に伴う競争戦略再構築、モノづくり品質の底上げ活動を進めた。

酒井重工業2026年3月期データ

■連結地域区分別売上高
国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景とした堅調な政府建設投資が続く中、流通在庫調整に伴う販売減速が底入れし、前年同期比4.2%増の125億500万円となった。
 海外向け売上高は、前年同期比5.2%減の150億3,500万円となった。北米向け売上高は、インフラ投資法を背景とした高水準の道路建設投資やAI関連建設投資が続く中、流通在庫調整と高関税政策に伴う販売減速が底打ち傾向に入り、前年同期比4.3%減の72億5,200万円となった。アジア向け売上高は、インドネシアで販売停滞が続いたものの、ベトナム、フィリピン、ラオスなどで販売が増加し、前年同期比1.9%減の68億8,700万円となった。その他市場向け売上高は、中南米で市場開拓が進んだものの、大洋州、アフリカで販売が減少し、前年同期比28.7%減の8億9,600万円となった。

■所在地別セグメント
日本:国内販売が底入れする一方、在庫調整に伴うグループ企業向け製品・部品輸出の減少により、総売上高は前年同期比0.6%増の199億7,300万円。営業利益は同14.7%増の1億9,000万円となった。
海外:米国では、高関税政策に伴う販売減少が底打ちしつつあり、総売上高は前年同期比4.1%減の72億7,400万円。営業利益は、輸入関税に対応した販売価格改定を進め、同19.5%減の6億6,500万円にとどまった。インドネシアでは、国内販売が停滞する一方で第三国向け輸出が増加し、総売上高は前年同期比4.2%減の58億8,900万円。営業利益は、原価率改善により同33.6%増の7億4,300万円となった。中国では、低迷していた国内販売が底打ちしたが、在庫調整に伴うグループ企業向け製品・部品輸出が減少し、総売上高は前年同期比31.6%減の9億8,200万円。営業利益は同1億1,900万円減少し、4,600万円の損失となった。

■今後の見通し
今後世界の建設機械市場は、短期的には調整局面がしばらく続くものの、中長期的には日本の国土強靭化実施中期計画や防衛整備予算倍増、米国における高水準のインフラ投資、新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、更には老朽化インフラの更新需要や自然災害甚大化への対応と復興需要など、建設機械の底堅い潜在需要が期待されますので、景気循環とともに回復するものと予想している。一方足下では、世界秩序の混迷と、中東危機長期化に伴うエネルギー原材料価格の高騰が世界経済の下押し圧力となるリスクをはらんでおり、予断を許さない。
このような情勢の下で酒井重工業グループでは、成長に向けた新製品投入力の増強と市場開拓、価格戦略と高付加価値化による収益体質向上、AI実装による業務改革と企業体質強化、人的資本投資と収益生産性向上の両立により、成長力と収益力を高めていく。また引き続き中長期成長戦略である、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化を進め、中長期的な事業成長と企業価値向上を目指す。
 
2027年3月期(2026年度)の連結業績予想は、売上高305億円(前期比10.7%増)、営業利益16億5,000万円(3.9%増)、経常利益16億5,000万円(4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11億円(37.6%減)を予想している。

酒井重工業の2026年3月期決算短信

決算説明資料