ボルボCE、スウェーデン・ヘルシンボリで電動建機の実証試験を実施

・静粛性・経済性・環境性能を兼備

ボルボCE(Volvo Construction Equipment):2026年5月12日

スウェロック(Swerock)がボルボ(Volvo)およびスウェコン(Swecon)と共同で実施した電動建機の実証試験で、極めて有望な結果が得られた。スウェーデン・ヘルシンボリにある同社配送ターミナルにおいて、2ヶ月間にわたり通常業務でディーゼル機をフル電動機に置き換えて運用した。

ペアブ・グループ(Peab Group)傘下のスウェロックにとって、気候変動対策は事業の中核課題の一つ。原料採取から製造、請負工事、エンドユースに至るバリューチェーン全体での排出削減に取り組んでおり、今回の試験では電動作業機械と輸送の分野に焦点を当てた。

■生産現場で即効性のある成果を確認

試験では、ディーゼル式ホイールローダーとトラックをボルボ製フル電動機に置き換え、土砂・骨材の取り扱いおよび建設・土木プロジェクトへの輸送業務に投入した。ヘルシンボリ市が進めるVäxjögatanプロジェクトとも連携して実施された。
試験期間中に二酸化炭素排出量を約14トン削減し、エネルギーコストはHVO100ディーゼル使用時と比べて約3分の1に低減された。

■実運用環境での電動建機性能を検証

スウェロック南地域原料供給部門責任者のクリスティアン・リンドグレン(Christian Lindgren)氏は、「実現場で電動機を試験することで、実際の性能や生産工程への本格導入に必要な条件、業界全体の電化推進に向けた課題について貴重な知見を得られた」と評価した。

土木輸送部門運用責任者のリヌス・デリン(Linus Delin)氏も「計画的な休憩時間に充電を行い、生産ペースに影響を与えることなく運用できた。特にターミナルや採石場のように作業パターンが予測しやすい現場では、充電計画を効率的に立てやすく、電動機が非常に適している」と成果を強調した。

気候変動対策やコスト削減に加え、電動機は大幅に静粛化された作業環境を提供し、都市部での使用に特に適していることが改めて確認された。

■ボルボとヘルシンボリ市「電化は新段階へ」

ボルボCE(Volvo CE)のセグメントリーダー、グスタフ・ボーベリ(Gustav Boberg)氏は「今回の試験は複数の点で重要だ。電化が新たな時代に入り、量産型の電動モデルが市場に投入される段階に来ていることを示している。これらはもはやプロトタイプではなく、量産機だ。また、都市が電化型建設・土木プロジェクトを推進する重要な役割を果たしていることも明らかになった」と述べた。
ヘルシンボリ市は「Fossil-Free Sweden」のゼロエミッション土木契約イニシアチブに署名しており、都市開発局道路エンジニアのヘンリク・ロスダール(Henrik Rosdahl)氏は「当市は2030年までに気候中立を達成するため高い気候要件を設定している。発注者として開発を後押しし、新たな取り組みに挑戦し、そのコストも受け入れる必要がある」と語った。

■今後の展開:拡大検証と本格導入へ

スウェロックはヘルシンボリでの経験を活かし、より多くの実現場で電動ソリューションの試験を進め、効果の大きい分野からスケールアップを図る。この取り組みは、同社の素材生産・物流・輸送分野における長期的な排出削減戦略の一環であり、ペアブ・グループ全体の電化戦略とも整合している。グループは近年、複数分野で電化を進め、スウェーデンで初めて完全電動アスファルト舗装 crew を提供するなど先駆的な取り組みを続けている。

▽試験概要

  • 場所: スウェロック 配送ターミナル(ヘルシンボリ、スウェーデン)
  • 期間: 2025年10月~11月(8週間)
  • 目的: 都市部における資材取り扱いおよび建設プロジェクト向け輸送業務での電動建機の実用性評価
  • 機種: ディーゼルホイールローダー→ボルボ L120 Electric、ディーゼルトラック→ボルボ FMX Electric
  • 成果: CO₂排出量14トン削減、エネルギーコスト約40,000スウェーデンクローナ低減。計画休憩時間での充電で生産性に影響なし。ターミナル環境で良好な性能を発揮
  • 参加者: スウェロック、ボルボ建機、ボルボトラック、スウェコン、Daniel Svantesson’s Åkeri AB
    電動建機の本格普及に向け、現場実証データが着実に積み重なっている。

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