・26年は緩やかな成長見込む
ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2026年4月21日
ボッシュ・レックスロスは4月21日、2025年度業績を発表し、売上高は前年比1.4%減の64億5,000万ユーロとなった。一方、受注高は約9%増の66億ユーロに拡大し、2022年以来初めて受注高が売上高を上回った。中国市場での成長が全体売上の下支えに寄与したほか、研究開発や設備投資には約5億6,000万ユーロを投じ、2026年度の成長に向けた基盤整備を進めている。
同社は、地政学リスクやコスト上昇圧力が続く厳しい事業環境の中でも、前年並みの事業規模を維持した。2025年度末時点の従業員数は世界で約3万1,900人となり、前年から約700人減少した。このうち約1万3,200人がドイツ国内で勤務している。
2026年3月に最高経営責任者(CEO)へ就任したヨッヘン・ペーター博士(Dr. Jochen Peter)氏は、「経済・地政学環境は顧客と当社双方にとって依然として厳しい。また、アジア企業が欧州市場へ進出を強めている。イノベーション、顧客密着、柔軟性、コスト意識が引き続き重要な成功要因になる」と述べた。
同社は中国事業の再編、日本での事業強化、顧客ニーズに合わせた製品ポートフォリオの最適化を進めており、約2年間続いた「売上高が受注高を上回る状況」から改善が進んでいるという。
地域別では、中国市場が全体業績の安定化に大きく貢献した。為替影響を除く売上高は0.9%増加。欧州(ドイツ除く)およびアジア・アフリカ・オーストラリア地域では前年を上回った。一方、最大市場であるドイツはやや減収となった。
受注面では、中国が最も高い伸びを記録したほか、欧州やドイツでも受注が拡大した。
2026年度については、受注と売上ともに緩やかな増加を見込む。ただし、地政学リスクの一段の悪化がないことを前提としている。
最高財務責任者(CFO)のホルガー・フォン・ヘーベル氏(Holger von Hebel)は、「2026年度は好調にスタートしている。受注高は前年を上回って推移しており、売上も慎重ながら増加している」と説明。その一方で、「世界の事業環境は依然として不安定であり、コスト圧力も高い」として、コスト削減や市場重視の事業体制強化を継続する考えを示した。
同社は2025年度、研究開発や設備投資に約5億6,000万ユーロを投入した。ドイツではロール・アム・マイン(Lohr am Main)、エルヒンゲン(Elchingen)、ニュルンベルク(Nuremberg)、ホルプ(Horb)の各拠点に約5,700万ユーロを投資。さらに、メキシコ、米国、スウェーデンでも大型投資を実施した。
製品面では、モバイル油圧向けの新型ラジアルピストンモーター「MPRパフォーマンス・ラジアルピストンモーター(MPR Performance Radial Piston Motor)」や、自律機能対応の高性能コンピューター「ORC2ハイパフォーマンス・コンピューター(ORC2 High-Performance Computer)」を投入。FAプラットフォーム「ctrlXオートメーション(ctrlX AUTOMATION)」にはAI機能を追加し、制御装置「ctrlX COREplus」の演算性能を強化した。
また、オープンOS「ctrlX OS」向けには、設備の脆弱性を確認する「セキュリティスキャナー(Security Scanner)」などの新アプリを追加。油圧サービス分野では、保守作業を効率化するデジタルツール「ハイドロリック・ハブ(Hydraulic Hub)」を導入した。
現在開催中のハノーバーメッセ(Hannover Messe)では、防衛分野向け製造技術を紹介する「ディフェンス・プロダクション・エリア(Defense Production Area)」を新設。バッテリー生産やリサイクル関連技術も展示している。
同社は2001年5月、ボッシュ・オートメーション・テクノロジー(Bosch Automation Technology)とマンネスマン・レックスロス(Mannesmann Rexroth)が統合して発足。今年でボッシュグループ(Bosch Group)の一員となって25周年を迎えた。前CEOで現取締役のシュテフェン・ハーク博士(Dr. Steffen Haack)氏は、「顧客への献身、卓越した技術力、製品への情熱は25年間変わっていない」とコメントした。
■会社概要
▽ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)
ボッシュ・レックスロスは、駆動・制御技術分野の世界大手サプライヤーの一社。モバイル機械、産業機械、ファクトリーオートメーション分野向けに、油圧機器、電動駆動・制御技術、ギア技術、リニアモーション・組立技術などを提供している。ソフトウェアやIoT(モノのインターネット)対応インターフェースも展開し、スマートファクトリーや自動化需要に対応する。2025年の売上高は65億ユーロ、従業員数は約3万1,900人。世界80カ国超で事業を展開している。
▽ボッシュグループ(Bosch Group)
ボッシュグループは、モビリティ、産業機器、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジー分野を手掛ける世界的な技術・サービス企業。2025年の売上高は910億ユーロ、従業員数は約41万3,000人。ロバート・ボッシュ(Robert Bosch GmbH)を中心に、60カ国超で約500社の子会社・関連会社を展開している。自動化、デジタル化、電動化、人工知能(AI)を重点領域とし、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを組み合わせたソリューションを提供。研究開発部門には約8万2,000人を配置している。
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