US スチール、米国初のDRI設備をビッグリバー製鉄所に新設、19億ドル投資で垂直統合を強化

US スチール(United States Steel Corporation)は4月29日、米アーカンソー州オセオラ(Osceola)のビッグリバー製鉄所(Big River Steel Works)に、直接還元鉄(DRI:Direct Reduced Iron)設備を新設すると発表した。投資額は19億ドルで、米国内初となる同種設備の導入となる。

同プロジェクトは、同社の次世代製鉄能力の強化と、高効率・近代的な製鋼体制の確立を狙いとするもの。ミネソタ州の鉱山事業ミネソタ・オア・オペレーションズ・キータック工場(Minnesota Ore Operations Keetac plant)における2022年のDRI向けペレット投資と連動し、鉱山から電炉(EAF:Electric Arc Furnace)原料製造、製鋼までを一体化するサプライチェーンを構築する。

特に、DRI生産をビッグリバー製鉄所内に配置することで、従来必要だった外部からのDRI輸送が不要となり、原料調達面での競争優位性を確立する。現地では、30億ドル超を投じた拡張計画「ビッグリバー2(Big River 2)」が本格稼働しており、4基の電炉を有する生産体制が整っている。

同社のデビッド・B・バーリット社長兼CEO(David B. Burritt)は、「ミネソタ州の鉄鉱石からアーカンソー州での製鋼まで、今回の投資により“採掘・溶解・製造”の全工程を米国内で完結する体制を強化する。DRI生産の内製化により効率性と競争力を高め、長期的な成長基盤を確立する」と述べた。また、日本製鉄(Nippon Steel)とのパートナーシップが、本投資の前倒し実現に寄与したことも明らかにした。

これら一連の投資により、同社は米国内における統合型サプライチェーンの高度化を進め、品質、供給安定性、コスト競争力の向上を図る。顧客に対しては、より安定した高品質鋼材の供給を実現する構えだ。

なお、本プロジェクトにより、ビッグリバー製鉄所では約200人の常勤雇用および35人の常駐請負人の雇用が見込まれるほか、建設ピーク時には約2,000人規模の雇用創出が期待されている。

■プロジェクト概要
所在地:米国アーカンソー州オセオラ/ビッグリバー製鉄所(Big River Steel Works)
投資額:19億ドル
内容:直接還元鉄(DRI)設備の新設(米国初)
目的:電炉向け原料の内製化と垂直統合の強化
関連設備:電炉4基(EAF)、ビッグリバー2拡張設備
雇用効果:常勤約200人+請負約35人/建設時最大約2,000人

ニュースリリース