LP Information、鉱山用油圧ショベル市場の最新レポートを公表、2031年に131億8,000万ドル規模へ

・大型化・自律化で競争再編

LP Information:2026年4月28日

LP Informationは、世界の鉱山用油圧ショベル市場に関する最新レポートを公表し、同市場が資源需要と技術革新を背景に持続的な成長軌道にあるとの見方を示した。

鉱山用油圧ショベルは、鉱石や岩盤、覆土など高硬度物質の掘削・積載に特化した大型建設機械で、一般土木用機と比べて構造強度、油圧性能、駆動効率が大きく異なる。高張力鋼を多用したブームやアーム、大容量バケットを支える機体構造により、極めて高い耐久性と生産性が求められる。鉱山では24時間操業が前提となるため、エネルギー効率や保守性が設備投資判断の重要要素となるほか、近年はAI制御や遠隔操作、自律運転との連携が進み、安全性と稼働率の向上が主要課題となっている。

同レポートによると、2025年から2031年にかけての年平均成長率(CAGR)は5.9%で推移し、2031年の市場規模は131億8,000万ドルに達する見通し。鉄鉱石、銅、リチウム、ニッケルといったエネルギー転換に不可欠な資源需要が市場を牽引し、資源国・新興国の双方で設備更新と新規導入が継続する構図となっている。

市場の大きな潮流は「大型化」と「デジタル化」の同時進行である。大規模鉱山では1台当たりの生産効率が収益性を左右するため、高出力エンジンや高効率油圧システムの採用が進む一方、遠隔操作、予知保全、自律運転システムの導入が加速している。また、環境規制の強化を背景に、排出ガス低減や電動化、ハイブリッド化といった技術開発も競争力の差別化要因となっている。

主要メーカーとしては、キャタピラー(Caterpillar, Inc.)、コマツ(Komatsu Ltd.)、日立建機(Hitachi Construction Machinery Co., Ltd.)、リープヘル(Liebherr Group)などのグローバル大手に加え、中联重科(Zoomlion Heavy Industry Science and Technology Co., Ltd.)、三一重工(SANY Heavy Industry Co., Ltd.)、徐工集団(XCMG Group)、LGMG、現代建機(Hyundai Construction Equipment Co., Ltd.)などが挙げられる。2024年時点で上位5社が売上ベースで約63%の市場シェアを占める。

市場構造は従来の欧米・日系中心から多極化へと移行している。キャタピラーは北米・南米における大型機の導入実績で優位性を維持し、コマツは自律走行システム(AHS)を軸に豪州・カナダで存在感を強める。日立建機は電動化と遠隔管理技術の融合でアジア市場での競争力を高めている。

一方、中国メーカーの台頭も顕著で、中联重科、三一重工、徐工集団、LGMGなどはコスト競争力と製品の堅牢性を武器に新興国市場でシェアを拡大。邦力重機(Bangli Heavy Machine Co., Ltd.)なども特定用途向け機種で存在感を示しており、技術競争と価格競争が並行する新たな競争局面に入っている。

直近の動向では、2024年9月にキャタピラーが北米の大手鉱山企業向けに最新大型機の供給契約を締結し、電動化対応や自律運転連携機能の導入を進めた。2024年12月にはコマツが豪州で自律運行プラットフォームの拡張計画を公表、既存機の自律化比率引き上げに向けた投資を開始。2025年2月には日立建機が電動式鉱山用油圧ショベルの試験運用を開始し、CO2排出削減と生産性向上の両立を目指している。

鉱山用油圧ショベルは、脱炭素社会に不可欠な資源供給を支える基盤インフラとしての位置付けを強めている。成熟市場では更新需要、成長市場では新規導入が拡大する中、今後は技術革新とサプライチェーン最適化が企業競争力を左右する要因となる見通しとしている。

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