バルメット(Valmet):2026年4月28日
バルメットが4月28日に発表した2026年1~3月期決算は、売上高が増加した一方で、プロジェクト比率の上昇など販売ミックスの変化により収益性が低下した。受注は大型案件の反動減で減少したが、戦略実行は進展し、コスト削減や事業体制改革の効果が表れ始めている。
同期間の受注高は前年同期比18%減の10億9,200万ユーロ(前年同期13億3,200万ユーロ)となった。オーガニックベースでも15%減少し、主にバイオマテリアル・ソリューション&サービス(Biomaterial Solutions and Services)分野における大型設備案件の低迷と、前年同期に計上された大型案件の反動が影響した。
一方、売上高は同5%増の12億4,400万ユーロ(同11億8,400万ユーロ)と増収を確保。大型プロジェクトおよび小規模な製紙設備改造案件の比率上昇が売上を押し上げた。
しかし収益面では、比較可能EBITAが同6%減の1億1,400万ユーロ(同1億2,100万ユーロ)、同マージンも9.2%(同10.2%)に低下した。売上増やオペレーティングモデル改革によるコスト削減効果があったものの、粗利率の低下が響いた。
1株当たり利益(EPS)は0.19ユーロ(同0.33ユーロ)に減少。戦略的な生産体制再編に伴う費用が主因で、比較可能性に影響する項目はマイナス3,200万ユーロ(同マイナス800万ユーロ)となった。調整後EPSも0.26ユーロ(同0.41ユーロ)に低下した。
■2026年通期見通しは据え置き
2026年通期見通しについては、2月6日に公表した内容を据え置いた。売上高は前期並み(2025年実績は51億9,700万ユーロ)、比較可能EBITAも前期並みまたは増加(同6億2,000万ユーロ)を見込む。
■市場見通し:短期的な不透明感が増大
2026年4~9月の短期市場見通しでは、プロセス・パフォーマンス・ソリューションズ(Process Performance Solutions)市場は、2025年後半の低迷から回復し、低成長に戻ると予想。一方で地政学リスクや世界経済の不透明感が高まり、短期的な視界は不透明としている。
バイオマテリアル・ソリューション&サービス分野では、2026年初の設備投資低迷からの反動で、今後6カ月は緩やかな改善を見込む。ただしサービス市場は軟調が続く見通しで、同様に不確実性の高まりが影響する。
■CEOコメント:戦略は進展、長期競争力を強化
トーマス・ヒナースコフ(Thomas Hinnerskov)社長兼CEOは、「顧客の投資判断が慎重化し、需要が分野ごとにばらつく環境の中でも戦略実行は着実に進展した」と総括した。
受注減については「大型設備投資のタイミング要因によるもので想定内」とし、パルプ・製紙分野における世界的な過剰設備も背景にあると説明。一方でプロセス・パフォーマンス分野は堅調な受注成長と高収益を維持し、「ライフサイクルビジネスの強靭性を示した」と強調した。
また、前年から進めるオペレーティングモデル改革により、直近12カ月ベースで販管費(SG&A)が2024年比で6,600万ユーロ削減されるなど、コスト効率改善が進展。生産拠点の最適化も進めており、今後の効率性・柔軟性向上につなげる。
同社は、設備のライフサイクル全体での性能向上を軸とした戦略により、ストック型需要の拡大と設備投資サイクル依存の低減を図っており、「現在の不確実な環境下でその有効性がより明確になっている」とした。
その上で、「足元では不透明感が続くものの、市場ポジションや導入基盤、明確な戦略により、長期的に持続可能な価値創出が可能」との見方を示した。
■会社概要
バルメットは、プロセス産業向け技術のグローバルリーダー。自動化やフロー制御を含む技術・サービスを提供し、設備のライフサイクル全体を通じて顧客を支援する。従業員数は約1万8,500人、世界約40カ国で事業を展開。2025年の売上高は約52億ユーロ。本社はフィンランド・エスポー(Espoo)。ナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)に上場。
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