NTN、防災道の駅「しもつけ」に移動型独立電源「N3 エヌキューブ」を初採用

・防災用コンテナ型トイレとして稼働開始

NTNは3月2日、同社が開発した移動型独立電源「N3(エヌキューブ)」が、防災道の駅「しもつけ」(栃木県下野市)に防災用コンテナ型トイレとして採用され、稼働を開始したと発表した。道の駅への導入は今回が初めて。再生可能エネルギー100%で稼働する循環式水洗トイレとして、平常時・災害時の双方で活用する“フェーズフリー”型設備として運用する。

災害発生時には、上下水道や電力などのインフラが断絶し、トイレ不足や衛生環境の悪化が深刻な問題となる。避難者が水分や食事を控えることで、脱水症状や感染症、エコノミークラス症候群などの健康被害につながるケースも指摘されている。

こうした課題を背景に、NTNは小型風車や太陽光パネル、蓄電池をコンテナ内に収容した移動型独立電源「N3」を開発。今回設置されたレストルームモデルは、コンテナ内部にトイレと汚水の分解・浄化処理槽を搭載し、外部との給排水を必要としない自己完結型の循環式水洗トイレとした。太陽光パネルで発電した電力により汚水を処理槽で分解・浄化し、再生水として循環利用する仕組みで、常時清潔なトイレ環境を維持できる。

また、トラックなどでの運搬が可能な設計とし、平常時は道の駅で活用しながら、災害時には被災地へ迅速に移設できる点も特長だ。再生可能エネルギーのみで稼働するため、停電時でも運用可能で、環境負荷低減にも配慮している。

国土交通省は、全国79カ所(2026年2月時点)の道の駅を「防災道の駅」に選定し、広域防災拠点としての機能強化を進めている。2024年4月には「『道の駅』における高付加価値コンテナ活用ガイドライン」を策定し、平常時の地域活性化と災害時の防災機能向上の両立を後押ししている。

NTNは同ガイドラインに基づく実証実験を通じて、災害発生時における「N3」の移動・設置・発電までの一連の動作を実演し、有用性を検証してきた。今回の採用は、これらの取り組みが評価されたものとみられる。

同社は今後、防災道の駅向けの提案をさらに強化する方針。加えて、災害時のペット保護や観光地での受動喫煙対策、熱中症対策など、多様な社会課題の解決に向けた用途展開も進める考え。

分散型電源と水循環技術を組み合わせたコンテナソリューションとして、「N3」は防災分野における新たなインフラモデルとしての広がりが期待される。

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