豊田自動織機、V2G対応の双方向車載充電器で実機検証に成功

・ ISO15118-20準拠、BEVを「走る蓄電池」として活用する技術基盤を確立

豊田自動織機は7月13日、スウェーデンの国立研究機関であるRISE(Research Institutes of Sweden)およびノルウェーの充電器メーカーであるDEFA(デファ)社と共同で、電気自動車(BEV)などに搭載する双方向車載充電器を用いたVehicle to Grid(V2G)の実機検証を実施し、系統電力網への交流電力供給が可能であることを確認したと発表した。

今回の検証では、V2Gに関する国際規格「ISO15118-20」の要件に基づき、車載バッテリーに蓄えた電力を車両側で交流へ変換し、電力系統へ安定的に供給(放電)できることを確認。V2G普及に向けた技術基盤を確立した。

検証では、豊田自動織機がV2G対応の双方向車載充電器を提供し、DEFA社が新開発した充放電設備「DEFA Power」を使用。RISEが試験環境を整備し、車両、充放電設備、系統電力網を連携させた電力制御を行いながら、国際規格に基づく評価を実施した。

その結果、交流電力の安定供給動作を確認するとともに、供給効率や外部要因による変化への耐性など主要評価項目で所定の基準を満たした。

近年、世界的に再生可能エネルギーの導入が拡大するなか、太陽光や風力など天候に左右される発電量の変動に対応し、電力需給を安定化する仕組みの重要性が高まっている。こうした背景から、大容量バッテリーを搭載するBEVを蓄電設備として活用するV2Gへの期待が高まっている。

従来のV2Gでは、車両から取り出した直流電力を住宅などに設置した充放電設備側で交流へ変換し、系統へ供給する方式が一般的である。一方、今回採用した交流方式V2Gでは、車載充電器が直流・交流の双方向変換機能を備えることで、車両側から交流電力を直接系統へ供給できる。

この方式により、充放電設備の構成簡素化や導入コスト低減が可能となり、V2Gシステムの普及促進につながることが期待される。

豊田自動織機は今後、今回の実証で確認した技術課題への対応を進めるとともに、充放電性能の向上や電力制御技術の高度化を図り、V2G対応双方向車載充電器の商用化を目指す。

同社は、BEVが単なる移動手段にとどまらず、電力を蓄え必要時に供給する「走る蓄電池」として活用される環境づくりに向け、持続可能な社会の実現に貢献する技術開発を推進していく。

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