BHP/リオティント (Rio Tinto):2026年6月23日
BHP、リオティント、キャタピラー(Caterpillar)は、オーストラリア・西オーストラリア州ピルバラ地域において、バッテリー電動式大型ダンプトラック「Cat® 793 XE Early Learner」の実証試験を開始した。業界初となる3社連携の取り組みで、鉱山現場における脱炭素化技術の実用性を検証する。
今回の試験は、BHPが運営するジンブルバー鉄鉱石鉱山(Jimblebar iron ore mine)で実施されており、現地で約3カ月間にわたる運用試験を継続中。大規模鉱山操業における温室効果ガス排出削減という複雑な課題への対応を目的としている。
対象車両は、米国アリゾナ州にあるキャタピラーのツーソン試験場(Tucson Proving Ground)で広範な安全検証と制御試験を完了した後、昨年末にジンブルバーへ搬入された。現在は、世界でも屈指の過酷な鉱山操業環境の一つとされるピルバラ地域で実稼働評価を受けている。
ピルバラ地域は、大規模かつ高負荷な鉱山操業環境を有しており、電動ダンプトラックの検証に適した条件を備える。ジンブルバー鉱山には、キャタピラーが世界各地で試験運用している計7台の「Early Learner」バッテリー電動ダンプトラックのうち2台が配置されている。
実証では、技術成熟度、必要インフラ、事業性評価に向けた重要データを取得しており、高出力の静止充電方式および走行中充電方式(ダイナミックチャージング)も試験対象となっている。
初期段階では累計100時間超の運転と200周以上の試験走行を実施。安全性、技術性能、保守性に関する前提条件の検証に役立つ知見が得られているという。
次段階では、車両走行中にエネルギー供給を行う革新的な電力伝送システムを用いたダイナミックチャージングの評価を進める。これにより、運用効率向上の可能性を探る。
現地では、西オーストラリア州首相のロジャー・クック(Roger Cook)氏、鉱業・石油担当大臣のデビッド・マイケル(David Michael)氏が、BHP、リオティント、キャタピラー、ウェストラック(WesTrac)の関係者とともに実証現場を視察した。
クック州首相は、「西オーストラリア州経済の競争力維持に向け、BHPおよびリオティントによる脱炭素化への取り組みを全面支援する」と述べ、再生可能エネルギー拠点化への期待を示した。
また、エネルギー・脱炭素担当大臣のアンバー=ジェイド・サンダーソン(Amber-Jade Sanderson)氏は、「重工業分野における排出削減への挑戦が不可欠であり、今回の電動ダンプ導入試験はネットゼロ実現に向けた重要な一歩」と評価した。
BHPオーストラリア社長のジェラルディン・スラッタリー(Geraldine Slattery)氏は、ピルバラでの電動ダンプ車導入が同社脱炭素戦略の中核と位置付け、「充電設備やエネルギー管理、安全で高生産な操業への統合など、大規模展開に必要な知見を得る」と説明した。さらに、2030年度までに2020年度比で操業由来温室効果ガス排出量を30%以上削減する目標達成に向け順調に進捗しているとした。
リオティント鉄鉱石部門CEOのマシュー・ホルツ(Matthew Holcz)氏は、「ピルバラにおける運搬車両の脱炭素化は業界横断的な協力が不可欠」と述べ、極めて厳しい実運用条件下で得られるデータが今後の展開に重要な役割を果たすとの見方を示した。
キャタピラー資源産業部門製品管理担当副社長のサッド・リトケンハス(Thad Litkenhus)氏は、「顧客が直面する現場環境そのもので検証を進めることで、電動トラックと充電インフラの実用性を確認できる」とし、省エネルギー化、排出削減、稼働信頼性向上につながるソリューション開発を加速していく考えを示した。
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