ボルボCE、電動アーティキュレート式ダンプ「A30 Electric」を世界初導入、ノルウェー水力発電プロジェクトで稼働開始

ボルボCE(Volvo Construction Equipment):2026年6月26日

ボルボCEは6月26日、同社の電動アーティキュレート式ダンプトラック「A30 Electric」を、ノルウェーの建設会社エルエヌエス(Leonhard Nilsen & Sønner AS、LNS)へ納入したと発表した。同機の実運用は世界初となり、水力発電所建設プロジェクトへの投入を通じて、重機分野における電動化の新たな段階を示す事例として注目される。

導入先は、電力会社ハフスルンド・クラフト(Hafslund Kraft AS)が進める「ヘムシル3発電所(Hemsil 3)」建設プロジェクト。ノルウェー・ハリングダール(Hallingdal)地域のヘムセダル(Hemsedal)およびゴル(Gol)両自治体にまたがる案件で、施工を担うLNSが車両を運用する。

A30 Electricは、ボルボCEが展開するバッテリー電動建機群の一製品で、同サイズ帯では世界初の量産型電動アーティキュレート式ダンプとされる。過酷な建設現場でも排出ガスゼロでの運用を可能にし、インフラ整備やエネルギー開発分野での脱炭素化を後押しする。

今回、まず4台を納入し、翌月にはさらに3台を追加投入する計画。プロジェクトは2029年の完成を予定しており、年間発電量を約110GWh増加させる見込みだ。建設工程に伴う温室効果ガス排出削減を目的に、A30 Electricをはじめとする電動建機の活用が重要な役割を担う。

納入車両は、スウェーデンのブラオース(Braås)にあるボルボCE生産拠点から、ボルボ製トラックによって約700kmを輸送。ノルウェー山岳地帯を経由して建設現場へ搬入された。

ハフスルンド・クラフトのプロジェクトマネージャー、ラース・ウースト(Lars Oust)氏は、「当社は環境への配慮を重視しており、建設作業の電動化を積極的に進めている。グリーントランジションを実現するためには新技術の採用と、発注者として市場需要を生み出す姿勢が不可欠。世界で初めて電動ダンプを導入する意義は大きい」とコメントした。

A30 Electricは、全長約20kmに及ぶトンネル建設で使用される。排出ガスが発生しないことから、閉鎖空間や環境負荷低減が求められる現場への適性が高いという。

LNSの現場責任者ステフェン・ソルストランド・ルドヴィグセン(Steffen Solstrand Ludvigsen)氏は、「LNSおよびヘムシル3プロジェクト向けに世界初のA30 Electricを導入できたことを誇りに思う。発破工程を伴うトンネル工事では、作業の合間に充電時間を確保できるため、電動ダンプとの親和性が高い」と述べた。

また、顧客案件として初期運用に携わったLNSのオペレーター、プシェミスラ・ヴェッセル(Przemysla Wessel)氏は、「特別な体験だった。走行は滑らかで快適、操作もしやすかった。未来への一歩を感じた」と評価した。

なお、車両供給とアフターサポートは、ノルウェーにおけるボルボCE販売代理店ボルボ・マスキン(Volvo Maskin AS)が担当する。ボルボ・マスキンのオペレーション責任者デビッド・クリスティアンスン(David Kristiansund)氏は、「LNSは数年前から電動ダンプ導入を強く求めていた。先進的な顧客や発注者とともに、ノルウェーはゼロエミッション建機市場を牽引している」と語った。

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