米カミンズ、テキサス州の大規模AIデータセンター向け天然ガス発電設備を供給

・マイクログリッドで系統依存低減

カミンズ(Cummins):2026年6月16日

カミンズは6月16日、サーク・エナジー(Circe Energy)と、高性能コンピューティング(HPC)向けデータセンターに対する大容量・高効率の天然ガス発電設備供給契約を締結したと発表した。対象は米テキサス州のデータセンター開発案件で、2026年から2030年にかけて順次納入する。AI需要拡大を背景に、電力系統に依存しないオンサイト発電とマイクログリッドを組み合わせた新たな電源インフラ構築を支援する。

供給するのは、カミンズの天然ガス発電機セット「HSK78(C2000N6CD)」および「QSK60(C1400N6)」シリーズ。高出力・高効率を特徴とし、データセンター向けのプライム電源として活用される。

今回の取り組みは、北米データセンター市場におけるカミンズの事業拡大の一環。AI用途を中心とした電力需要急増に対し、天然ガス発電設備と統合型マイクログリッド制御技術を組み合わせることで、送電網制約への対応、供給信頼性向上、迅速な立ち上げ能力を提供する。

対象となるサーク・エナジーのAI・HPC向けデータセンター群では、特に西テキサスキャンパス開発において、天然ガス発電設備を主電源として運用する。電力会社の系統接続を前提とせず、施設内で完結する「ビハインド・ザ・メーター(Behind-the-meter)」型電源モデルを採用する。

■AIと電力需要増に対応、段階的な設備立ち上げを実現

近年、AIや高負荷デジタルインフラ需要の急増を受け、データセンター事業者はエネルギー戦略の一環として自家発電導入を加速している。天然ガス発電をマイクログリッド制御や系統接続計画と組み合わせることで、段階的な電源投入、冗長性確保、電力コスト最適化、将来的な系統統合を進めやすくなる。

カミンズのグローバル発電事業責任者であるスーザン・クリーバー(Susan Cleaver)氏は、「データセンター市場では、容量だけでなく、供給スピード、信頼性、可用性が同等に重要になっており、停止は許されない。天然ガス電源ソリューションにより、急増するデータ需要へ対応しながら、オンサイト発電で電力不足を補完する」と述べた。

北米では系統接続までの長期化や送電網制約が課題となっており、カミンズの天然ガス発電設備は需要拡大に応じた段階導入が可能な構成として、早期稼働と将来拡張性の両立を支援する。

カミンズはデータセンター・AIキャンパス向けに以下のソリューションを提供する。

・天然ガス発電システム
・マイクログリッド構成設計および統合制御
・AI・高性能計算向けマイクログリッド設計
・運用データ共有およびシステム最適化
・パワー・インテグレーション・センター(Power Integration Center:PIC)による事前設定・検証・試験
・開発会社、技術者、運営事業者との技術調整
・北米サービス網による長期保守支援

■西テキサス拠点、2027年から段階稼働へ

サーク・エナジーの西テキサスキャンパスは、2027年から段階的に電源投入を開始できるモジュール型プラットフォームとして設計されている。

高密度AI計算向け設備、液冷対応、長期拡張性を備えた施設群と、ミッションクリティカル用途向けマイクログリッドを組み合わせる。

カミンズは発電設備供給と技術検証を担い、最終システム設計・導入はサーク・エナジーおよび設計責任者側が実施する。

サーク・エナジーの最高商務責任者であるダガン・バロコ(Dagan Baroco)氏は、「AIインフラでは電力の有無だけでなく、供給タイミングも重要となる。カミンズの天然ガス発電設備と当社のマイクログリッド設計を組み合わせることで、予測可能なスケジュールで拡張性あるAI基盤を提供できる」とコメントした。

カミンズは、AIや高性能計算需要の拡大を背景に、発電設備、マイクログリッド、システム統合、保守サービスを一体提供し、次世代デジタルインフラ市場での事業拡大を進める方針としている。

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