・受注は4四半期連続増も関税影響で営業損失継続
米国のフォークリフト大手、ハイスター・エール(Hyster-Yale, Inc.、NYSE: HY)は8月4日、2026年4〜6月期(第2四半期)の決算を発表した。売上は8億1,290万ドルで、前四半期比2%増となった一方、前年同期比では15%減となった。営業損失は1,840万ドル、調整後営業損失は1,670万ドルで、いずれも前四半期から改善したものの、前年同期の水準は下回った。受注は6億8,000万ドルと前四半期比17%増、前年同期比で約2倍となり、4四半期連続の増加を記録した。
■フォークリフト事業:出荷増で前四半期比改善も、関税と製品ミックスが重荷
同社の主力であるフォークリフト事業の売上は7億5,550万ドルで、前四半期比2%増、前年同期比16%減となった。受注の増加が出荷に反映され始めたことが前四半期比増の主因で、出荷量の増加と価格改定が寄与した。地域別では、アメリカ地域が5億9,620万ドル(前四半期比3%増)、EMEAが1億1,820万ドル(同6%減)、JAPICが4,110万ドル(同16%増)だった。
前年同期比では、高価格帯の標準・プレミアム型カウンターバランス車(特にクラス1・クラス4)の販売減少と、低価格帯の軽負荷モデルへのシフトが影響した。一方で、新たに投入した低負荷製品が市場で受け入れられ、シェア拡大と収益性の下支えに寄与している。
営業損失は2,050万ドルで、前四半期比では700万ドル改善した。出荷量増、価格改善、人件費(インセンティブ含む)の減少が要因。粗利益率は、過去に支払った関税の還付3,500万ドルが寄与したものの、材料費の不利な影響と関税コストの増加(前四半期比1,000万ドル増)で相殺された。前年同期比では、出荷減、不利な製品ミックス、関税関連コストの増加(約2,000万ドル)が響き、粗利益が28%減少した。販売管理費は人件費減と2025年第4四半期の構造改革効果で1,800万ドル減少した。
■受注動向:4四半期連続増、アメリカが牽引
2026年第2四半期の受注額は6億8,000万ドルとなり、前四半期の5億8,000万ドルから17%増、前年同期の3億3,000万ドルから106%増と大幅に伸長した。3年ぶりの高水準で、主にアメリカ地域が牽引した。6月末時点の受注残は15億8,000万ドルで、前四半期末の14億1,000万ドルから12%増加し、現在の生産水準で約5カ月分に相当する。
■Bolzoniグループと財務状況
アタッチメント事業のBolzoniは売上が8,190万ドル(前四半期比1%減、前年同期比10%減)となったが、運賃減と製品ミックス改善で粗利益が増加し、営業利益は200万ドル(前四半期は損失)と改善した。
営業キャッシュフローは1,700万ドルのプラスとなり、前四半期の3,300万ドルのマイナスから5,000万ドル改善した。在庫管理の徹底(前年比約1億1,000万ドル減)や運転資本の改善が寄与し、債務も前四半期末から500万ドル減少して5億ドルとなった。純債務は4億2,740万ドル。
法人税費用は810万ドルで、ブラジルの繰延税金資産に対する非現金の評価性引当金340万ドルを含む。
■通年見通し:上期が底打ち、下期に改善を見込むも通年は営業損失の見込み
同社は、2026年上期が現在のフォークリフト市場サイクルの底だったと見ており、受注の4四半期連続増と第2四半期の売上・営業成績・キャッシュフローの前四半期比改善を背景に、残りの期間で業績が上向くと予想している。
ただし、関税(Section 232、Section 301、Section 122など)の影響は続き、価格改定や調達先変更、コスト削減で一部を緩和するものの、すべてを相殺できるとは見ていない。出荷の本格増加は年末にかけてを見込んでおり、関税対応の生産体制移行で一時的に生産が受注に追いつかない可能性がある。通年では中程度の営業損失を予想する。
2025年に開始した構造改革は、年間4,000万〜4,500万ドルのコスト削減効果のうち約半分を2026年上期に実現済み。製造拠点最適化では、2028年以降に年間3,000万〜4,000万ドルの効果を見込む。
長期的には「Port to Home(港から家庭まで)」をビジョンに、フォークリフト事業の変革と、倉庫用車両、車両自動化、エネルギー管理、アタッチメント分野での成長を目指している。
<会社概要>
社名:Hyster-Yale, Inc.(ハイスター・エール)
本社所在地:米国オハイオ州クリーブランド
上場:NYSE(ティッカー:HY)
主力事業:フォークリフトおよび関連ソリューションの開発・製造・販売(ブランド:Hyster®, Yale®, Maximal®, Nuvera®)
子会社:Bolzoni(アタッチメント)、Nuvera(燃料電池)
合弁会社:住友ナコフォークリフト(日本)
公式サイト:www.hyster-yale.com
ニュースリリース
プレゼン資料
コメントを投稿するにはログインしてください。