ボルボCE、スウェーデン・エスキルストゥーナで新油圧ショベル工場を起工

・首相らが電動機で記念掘削、2028年稼働へ

ボルボCE(Volvo Construction Equipment):2026年6月18日

ボルボCEは、スウェーデン・エスキルストゥーナ(Eskilstuna)に建設する新油圧ショベル工場の起工式を開催した。式典にはスウェーデンのウルフ・クリステション(Ulf Kristersson)首相と、エネルギー・産業担当相を兼務するエバ・ブッシュ(Ebba Busch)副首相が出席し、23トンクラスの電動油圧ショベルを操作して記念掘削を行った。

同社は、生産拠点の海外移転を進める企業が増える中でも、国内投資を継続する姿勢を鮮明にしている。新工場は2028年の完成を予定しており、競争力強化に加え、スウェーデンの産業基盤維持・強化を担う拠点として位置付ける。地域雇用創出やメーラルダーレン地域の経済成長への貢献も期待される。

ボルボCEは約200年にわたりスウェーデン産業を支えてきた企業の一つで、現在も全生産時間の約40%を国内で担っている。今回の投資額は7億スウェーデンクローナ(約119億円、1クローナ=17円換算)。顧客への近接生産と地域展開強化を進める長期戦略の一環となる。

同社は近年だけでも欧州における生産能力増強や販売ネットワーク整備に90億スウェーデンクローナ(約1,530億円)超を投資している。

起工式では、首相およびエネルギー・産業担当相がホイールローダやアーティキュレート式ダンプトラックを試乗した後、新工場建設の開始を象徴する形で電動23トン油圧ショベルを操作した。

クリステション首相は、「ここへ来ることは故郷に帰るような感覚だ。誇りある産業の歴史が次世代へ受け継がれていることを示せたことを嬉しく思う。スウェーデンにおける政治と産業界の密接な対話は重要であり、今後も継続してほしい」と述べた。首相自身もエスキルストゥーナで育ったという。

ブッシュ副首相は、「この黄色い機械は、道路、鉱山、都市建設を通じて文字通りこの国を築いてきた。不確実性が高まる中、競争力は単なる経済課題ではなく、自立性や強靱性、将来を自ら築く力に直結する。ボルボCEは今、スウェーデン産業史の新たな章を書き始めている」とコメントした。

エスキルストゥーナにはすでに、ボルボCEのグローバル本社、最大規模の研究開発拠点、欧州・アフリカ・中東・オセアニア向け販売組織、部品工場が集積しており、同社の中核拠点となっている。

新工場稼働後、同社は主要建機製品のすべてをスウェーデン国内で生産する体制となる。アーティキュレート式ダンプトラックはブロース(Braås)、ホイールローダはアルビカ(Arvika)、油圧ショベルはエスキルストゥーナ(Eskilstuna)、キャブはハルスベリ(Hallsberg)で製造する。

ボルボCEのメルカー・ヤーンベリ社長(Melker Jernberg)は、「スウェーデンは約2世紀にわたり当社の産業発展を支えてきた。今回の投資はスウェーデンと欧州双方の国際競争力を高めるものであり、雇用創出、技術開発、産業基盤強化につながる」と述べた。

■高まる油圧ショベル需要に対応

今回の投資は、建設機械市場で最大セグメントとなる油圧ショベル需要の拡大を背景としている。欧州の大型油圧ショベル市場は2010年以降で約50%拡大しており、今後も需要増加が見込まれている。

新工場の延床面積は約3万平方メートル。14〜50トンクラスの電動および内燃機関搭載クローラ油圧ショベルを対象に、混流組立方式を採用し、年間最大3,500台の生産能力を備える。

現地生産によって納期短縮、サプライチェーンの混乱低減、輸送時のCO₂排出削減も期待される。また、油圧ショベルの安定供給は社会インフラ維持や危機対応能力の観点からも重要とされる。

ABボルボ(AB Volvo)のマーティン・ルンドステット社長兼CEO(Martin Lundstedt)は、「産業能力と人材への長期投資は、ボルボグループと欧州双方の競争力に不可欠だ。今回のエスキルストゥーナ新拠点は欧州での存在感を高め、スウェーデンと当社の成長に寄与する」と述べた。

ニュースリリース