JCBワールドパーツセンター勤務の社員、腎臓移植10周年を機に臓器提供拡大を呼びかけ

生体腎移植から10年、家族間提供の経験を公表し「臓器提供について話し合う文化づくり」の重要性を訴える

JCB :2026年6月12日

英国建設機械大手JCBの部品物流拠点で勤務する社員が、腎臓移植から10年の節目を迎え、自身の体験を通じて臓器提への理解促進と提供者拡大を呼びかけている。

英国スタッフォードシャー州ブラッドウェル在住のジャネット・マシューズ(Janet Matthews)氏(62)は、2016年6月14日に娘ジェニー・ロウ(Jenny Lowe)氏から生体腎提供を受け、命を救う移植手術を受けた。現在はJCBワールドパーツセンター(JCB World Parts Centre、英国アトックスター)で購買担当として勤務している。

英国では臓器提供件数の減少が課題となっている。統計によると、前年の移植件数は前年比2%減少し、家族が亡くなった際に臓器提供へ同意する割合は59%にとどまる。英国国内では約6,900人が腎臓移植を待っており、平均待機期間は約3年となっている。

ジャネット氏は、遺伝性疾患である多発性嚢胞腎(Polycystic Kidney Disease)により腎機能が低下。体調悪化が進むなか、DNA検査の結果、高い適合性が確認された娘ジェニー氏が生体提供を申し出た。

ジャネット氏は次のように振り返る。

「娘が提供したいと言った時、複雑な気持ちでした。最初は絶対に受けたくないと思いました。当時、娘には4歳の娘メイジー(Maisie)もいて、手術には常にリスクがあります。それでも彼女は私に新しい人生を与えてくれました」

移植前は慢性的な疲労や体調不良が続き、透析治療への不安も大きかったという。一方、移植後は約2週間半で退院し、その後は拒絶反応抑制薬を継続しながら通常の生活を送っている。

現在、ジャネット氏は4カ月ごとの定期検診を受け、ジェニー氏も年1回の健康診断を継続している。

また、腎臓提供の約40%は生体提供によるものであると紹介し、「自分は幸運だった。しかし多くの人が臓器提供を必要としている。家族で意思を話し合い、希望が尊重される環境を作ってほしい」と訴えている。

移植手術はバーミンガムのクイーン・エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)で実施された。術後、ジャネット氏は生活を大きく変え、健康維持のために水泳やジム通いを始め、体重も約32kg(約5ストーン)減量した。

また、移植から2年後には、娘とともに地域マラソン大会「ポッターズ・アーフ・マラソン(Potters ’Arf Marathon)」へ参加し、現在も通院するロイヤル・ストーク病院(Royal Stoke Hospital)への寄付活動にも取り組んだ。ジャネット氏は完走、ジェニー氏はランで参加した。

旅行も積極的に楽しんでおり、夫スティーブン(Stephen)氏(63)とともに各地を訪問。最近ではスペイン・メノルカ島で孫娘とウォータースライダーを楽しんだほか、今夏は英国ニューキーへのキャラバン旅行、11月にはカリブ海クルーズ、来年には結婚45周年を記念したジャマイカ旅行も計画している。

ジャネット氏は次のように締めくくった。

「私の経験は非常に幸運で、人生を変えるものでした。生体提供を考えている人も、家族が亡くなった際の意思決定を考える人も、自分たちが誰かの人生にどれだけ大きな変化をもたらせるか知ってほしい。臓器提供について話し合うことは本当に重要です」

詳細は英国国民保健サービス(NHS)の臓器提供情報サイトで案内している。

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