前田製作所(長野県長野市)とEARTHBRAIN(東京都港区)は6月11日、クローラクレーンの遠隔操縦技術の共同開発に着手したと発表した。
■担い手不足と安全ニーズが開発の契機に
建設業界では、深刻な担い手不足や技能継承の困難さに加え、働き方改革への対応や安全性向上が喫緊の課題となっている。とりわけ災害復旧現場や狭隘空間、高所作業など危険を伴う環境での無人化・遠隔化ニーズは急速に高まっており、安全を確保しながら安定した施工を実現する技術への期待は大きい。
こうした背景のもと、クローラクレーンの設計・製造で豊富な実績を持つ前田製作所と、建設機械の遠隔操縦・自動化プラットフォーム「Smart Construction®」を展開するEARTHBRAINが、双方の技術・知見を融合させる形で今回の共同開発に合意した。
■各社の役割を明確に分担
本取り組みでは、前田製作所がクローラクレーンの設計・製造および車両側の遠隔化対応、現場運用要件の定義を担当。EARTHBRAINは遠隔操縦プラットフォーム「Smart Construction®」をはじめ、遠隔伝送技術および操作席・HMIの提供を受け持つ。クレーンの操作技術と遠隔操縦・通信・映像伝送技術を組み合わせることで、安全な場所からの操縦を可能にし、作業者の安全確保と施工効率向上の両立を目指す。将来的には省人化・自動化施工も視野に入れ、建設現場の持続可能なオペレーション実現への貢献を掲げている。
■CSPI-EXPO 2026で遠隔操作デモを初公開
本取り組みの第一弾として、2026年6月17日(水)〜20日(土)に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2026)」の前田製作所ブース(小間番号:08-11)において、クローラクレーンの遠隔操作デモンストレーションを実施する。ブース内のコックピットから、遠隔地である長野県長野市のクローラクレーンをリアルタイムで操作する様子を来場者に公開する予定だ。なお、20日(土)は一般開放日となる。ブースではナックルブームクレーンの実機展示も行われる。
■各社コメント:拡張性と汎用性に期待
前田製作所は「クローラクレーンをはじめとした遠隔操作対応の商品ラインナップを拡充し、お客様に安全・安心と新たな価値を提供する。本取り組みを起点として、将来的にはより幅広い機種への遠隔操作対応を進めていく」と述べ、業界の担い手不足や安全性向上といった社会課題の解決に貢献する姿勢を示した。
EARTHBRAINは「これまで培ってきた遠隔操縦技術をクローラクレーンという新たな機種カテゴリへ展開する取り組みだ。特定の建機メーカーに依存しない、複数メーカー・複数機種に対応可能なプラットフォームとしての汎用性・拡張性を示すものであり、Smart Construction®が目指す建設現場のDX化加速を後押しする」とコメントした。
両社は今後、実用化に向けた共同開発をさらに推進し、現場導入を見据えた実証・検証を進めていく方針。
ニュースリリース (前田製作所)
ニュースリリース (EARTHBRAIN)
コメントを投稿するにはログインしてください。