リープヘル、AI活用の部品特定アプリ「Parts Assistant」をグローバル展開、保守業務を効率化

リープヘル(Liebherr):2026年5月21日

リープヘルは、AIを活用したスペアパーツ特定・発注アプリ「パーツアシスタント(Parts Assistant)」をグローバル展開した。アプリはアップルの「App Store(iOS)」および「Google Play(Android)」から提供され、有効な「マイリープヘル(MyLiebherr)」ビジネスアカウントを持つ顧客は無料で利用できる。

同アプリは、港湾、ターミナル、洋上設備など、現場で迅速な意思決定が求められる保守環境向けに開発された。開発にあたっては実際の運用ユーザーの意見を反映している。

中核機能となるのは、AIベースのスペアパーツ識別機能。ユーザーは写真認識、100言語以上に対応したテキスト検索、QRコードスキャン、品目番号入力、あるいはこれらを組み合わせて部品を特定できる。銘板が破損・欠落している場合でも迅速に識別可能で、発注前には公式のリープヘル部品カタログで照合できるため、誤発注や不要な再配送の削減につながる。

また、アプリでは機械の実稼働時間や次回定期メンテナンス向けサービスキットも表示する。必要なスペアパーツ、サービス資材、消耗品の一覧を確認でき、運用要件に応じてリストをカスタマイズしたうえで数秒で発注可能としている。

リープヘルのプロダクトマネージャー、フロリアン・マルケルト(Florian Markert)氏は、「パーツアシスタントは顧客の作業簡素化を次の段階へ進めるもの。機械上での部品識別を簡素化・高速化することで、保守チームが事務作業ではなく実際のメンテナンス業務に集中できるよう支援する」と述べた。

さらに、識別結果に不安がある場合には「エキスパートチェック(expert check)」機能を利用できる。ユーザーは担当のリープヘルサービスパートナーへ直接確認依頼を送信可能で、専用サービスチケットを通じて専門的な確認を受けられるため、現場作業を中断することなく運用上の確実性を高められる。

先行試験導入では、利用者から時間短縮、発注ミス削減、クレーン群の保守準備における透明性向上などの評価が寄せられた。こうした反応を受け、リープヘルは機能開発を継続しながら市場投入を本格化した。

同氏は「試験導入に参加した顧客から非常に建設的なフィードバックを得られた。この作業効率化ツールをより広い市場へ提供できることを嬉しく思う。運用ニーズや技術進歩に応じて、今後も機能と適用範囲を拡大していく」としている。

パーツアシスタントは、モバイルハーバークレーン、オフショアクレーン、船舶用クレーンに加え、深礎工事機械、デューティサイクルクレーン、最大400t級クローラクレーン向けに展開する。リープヘルは、こうした分野横断型のデジタルソリューション展開を通じて、産業ポートフォリオ全体でデジタル化を推進する方針を示している。

同社は、デジタルサービスツールを単なる技術デモではなく、世界の荷役・産業分野における実効的な効率向上と将来志向の保守プロセスを実現する実用ツールとして位置付けている。

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