ヤマシンフィルタは5月15日、ミツフジ(京都府精華町)と資本業務提携を締結したと発表した。第三者割当増資によりミツフジ株式を取得(取得額5億円)し、ナノファイバー素材を活用したライフサイエンス分野および産業資材分野での共同開発を加速させる。
■ナノファイバー電極と導電素材で差別化
提携の主眼は、ヤマシンフィルタが強みとするナノファイバー技術と、ミツフジが持つ銀めっき繊維・ウェアラブル製品の開発力、ソフトウェア・データ解析技術の融合にある。
具体的な業務提携内容は以下の通り:
- ナノファイバー電極を用いた生体センサー製品の共同開発
- ナノファイバー導電素材を用いた電磁波シールド製品等の共同開発
ヤマシンフィルタは2025年12月に公表した中期ビジョン「YAMASHIN FILTER VISION 2030」において、機能テキスタイル・ライフサイエンス・産業資材の3分野を新規事業の重点領域に位置づけている。今回の提携により、素材開発から製品実装、販路開拓までを一気通貫で推進できる体制を構築する狙い。
■ミツフジの強みを取り込む
ミツフジ株式会社は1979年設立、資本金7.42億円。銀めっき繊維技術を基盤に、ウェアラブル製品や医療機器の開発・製造・販売を手掛ける。代表取締役の三寺歩氏が主要株主を務める。
同社はこれまで、導電性繊維を活用した生体信号取得技術や電磁波対策製品で実績を積んできた。ヤマシンフィルタのナノファイバー素材との組み合わせにより、より高感度・高機能なセンシングデバイスやシールド材の開発が期待される。
■取得条件は第三者評価に基づく
株式取得は2026年5月29日払込予定。出資比率は非公表。取得価格については第三者機関による株式価値算定結果を踏まえ、妥当性を確保したとしている。
両社は現在、資本関係・人的関係・取引関係ともにない。ヤマシンフィルタは「本提携による業績への影響は軽微」としているが、今後の共同開発成果次第では新たな収益柱となる可能性もある。
機械・素材・医療機器のクロスオーバー領域で注目される今回の提携。ナノファイバーという先端素材が、ウェアラブルと電磁波対策という実需の強い市場にどのように食い込んでいくか、業界の関心が集まっている。