コベルコ建機、三同建設と共同検証契約を締結

・建物解体現場向け「K-DIVE®」遠隔操作システム、実用化へ一歩前進

コベルコ建機は5月19日、三同建設(大阪市西区)と、建物解体現場における重機遠隔操作システム「K-DIVE®」の本格活用に向けた共同検証契約を締結した発表した。

老朽化建築物の増加により解体需要が急拡大する中、熟練技能者の不足や残業規制の影響で生産性向上が喫緊の課題となっている。加えて、解体現場特有の危険性を軽減し、多様な人材の参入を促すための技術的解決策が強く求められている。こうした背景の下、両社は「K-DIVE®」を解体工事分野で実用化するための具体的な検証に乗り出す。

■実現場で手応え、解体特有の課題も明確に

両社はこれまでに実際の解体現場で「K-DIVE®」を試験運用。オペレーターからは、生産性向上と危険性低減への貢献を実感する声が上がった一方で、固定ヤードや土木工事向けに最適化された現行仕様では、解体現場の複雑な構造物や崩落リスクの高い作業空間を画面越しに的確に把握しにくいといった課題も浮き彫りとなった。

これを受け、両社は解体工事に特化した仕様改善と運用ルール策定を目指し、正式に共同検証契約を締結。検証フィールドには、火力発電事業国内最大手の株式会社JERAが保有する解体現場を活用する計画。

■重点検証項目

共同検証では、以下の項目に重点的に取り組む予定。

  • 倒壊リスクのある構造物周辺や解体工事特有の狭小・複雑空間における遠隔操作性と安全性の確認
  • 複数台の解体重機をシームレスに切り替えて運用する際の操作性・有効性評価
  • 工事種類に応じた最適機械仕様の検証および解体現場特有の視界確保課題の洗い出し
  • 解体現場環境に適した通信構築手法の最適化

特に「K-DIVE®」が持つ、実機を操作しているかのような高い操作再現性に期待が集まる。建物解体作業はオペレーターの経験に基づく繊細な判断と連続的な意思決定が求められる作業であり、遠隔化のハードルが高い分野とされてきた。今回の検証を通じて、この難易度の高い作業を遠隔でも安全かつ効率的に実現できる可能性を探る。

■人手不足解消と安全・生産性向上へ

コベルコ建機は、本共同検証により、解体現場における遠隔操作の標準化を進めるとともに、熟練オペレーターの高齢化対策や若手・女性・外国人材など多様な人材の活用拡大を目指す。結果として、業界全体の生産性向上と安全水準の引き上げに寄与していく方針。
三同建設の現場知見とコベルコ建機の遠隔操作技術を融合させた取り組みは、建物解体分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の先進事例として注目を集めそうだ。

画像:大阪・関西万博での稼働実績:通信衛星(Starlink)を用いた「SK135SRD-7」解体仕様機の遠隔操作

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