日本精工(NSK)とNTN、共同持株会社設立による経営統合で基本合意

・軸受大手2社が対等統合、2027年10月上場へ

日本精工(NSK)とNTNは5月12日、共同株式移転による経営統合に向けた基本合意書を締結したと発表した。両社は新設する共同持株会社の傘下に入る形で統合し、2027年10月の持株会社上場を目指す。

■100年超の競合同士が手を組む背景

両社はともに100年以上の歴史を持つ軸受(ベアリング)メーカーとして、長年競合関係にあった。しかし近年は中国経済の成長鈍化、欧州製造業の不振、米国関税政策の影響による市場の不透明感が増大しており、既存市場の急速な拡大は見込みにくい状況が続いている。自動車・産業機械業界では中国メーカーの台頭による競争激化も顕著。欧米の軸受市場ではすでに業界再編が進み、SKF( スウェーデン )、シェフラー(Schaeffler、ドイツ) 、ティムケン(Timken、米国) の大手3社に集約されている。一方、日本国内では再編が遅れており、両社は国内での業界再編が不可欠と判断した。

■統合の目的と戦略
両社は今回の統合について「単なる規模の拡大ではなく、危機感に裏打ちされた長期的かつ利益ある成長の実現」を掲げ、対等の精神に基づく統合と位置付けている。具体的には以下の3つの戦略を柱とする。

第1に、経営資源への投資と最適活用によりサプライチェーンの強靭化を図る。第2に、PLM(製品ライフサイクル管理)や補修市場向けビジネスなど高付加価値領域を強化するポートフォリオ変革を推進する。第3に、両社の技術・人材・知見を結集し、新製品開発やソリューション提供を通じた新たな価値創造を目指す。

シナジーとして期待されるのは、生産集約や調達最適化によるコスト削減、重複R&D投資の解消、ロボット・宇宙・eVTOLといった成長分野への効率的な資源投下などだ。

■持株会社の体制
新持株会社は指名委員会等設置会社として設立する。取締役会長(非業務執行)はNTNが、代表執行役社長CEOはNSKが指名する。社外取締役は5名で、NSKが3名、NTNが2名の候補者を提案する予定。

■両社の規模感
NSKの2026年3月期連結売上高は9,116億円、連結従業員数は約2万6,000人。NTNの2025年3月期連結売上高は8,256億円、従業員数は約2万2,000人。合算すると売上高1兆7,000億円超の軸受グループが誕生する計算となる。

■今後のスケジュール
基本合意書締結後6か月以内を目途に最終契約書を締結し、2027年6月の両社定時株主総会で承認決議を得た後、同年10月に持株会社を設立・上場する計画。なお、米国証券法や国内外の競争法への対応状況によって日程が変動する可能性があるとしている。​​​​​​​​​​​​​​​​

ニュースリリース(共同発表)