・大型電炉による高級鋼一貫量産で世界初の体制構築へ
日本製鉄(東京都 千代田区)は4月15日、九州製鉄所八幡地区において高炉プロセスから電炉プロセスへの転換工事に着工したと発表した。大型電炉による高級鋼の一貫製造・量産システムを世界で初めて実現するプロジェクトで、同日、同地区構内にて起工式を開催した。
同社は「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」において、「大型電炉での高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」「高炉水素還元」の3つの革新技術を軸に脱炭素化を推進。このうち大型電炉による高級鋼製造では、九州製鉄所八幡地区、瀬戸内製鉄所広畑地区、山口製鉄所(周南)の3拠点で新増設・改造・再稼働を進める。
特に八幡地区のプロジェクトは、従来の高炉プロセスを電炉へ転換しつつ、高級鋼の品質を維持・向上させた一貫生産体制を確立する点が特徴。カーボンニュートラル時代に対応した次世代製鉄モデルとして位置付けられる。
起工式には九州経済産業局長、福岡県知事、北九州市長らが出席。九州製鉄所長の中田昌宏常務執行役員は「八幡・大分両地区が一体となり、世界をリードする生産拠点の実現に挑戦する」と述べ、官民連携と地域の理解・協力の重要性を強調した。
同社は今後、高機能鋼材とソリューションの提供、および製造プロセスの脱炭素化による「GXスチール」の供給を通じ、サプライチェーン全体でのCO2排出削減を目指す。
■プロジェクト概要
建設場所:九州製鉄所八幡地区/瀬戸内製鉄所広畑地区/山口製鉄所(周南)
製鉄所一覧
投資内容:電炉3基新設・増設・改造・再稼働等/八幡:電炉1基新設/広畑:電炉1基増設/山口(周南):電炉1基改造・再稼働
関連設備:高級鋼製造対応/土木・エネルギー・物流・電源対策および付帯設備
投資額:合計8,687億円/八幡6,302億円/広畑1,400億円/山口985億円
生産能力:約290万t/年/八幡約200万t/年/広畑約50万t/年/山口約40万t/年
生産開始:八幡2029年度下期/広畑2029年度下期/山口2028年度下期