DMG 森精機 、伊賀事業所第3精密加工工場が稼働開始

・大物鋳物部品の切削、研削加工に対応

 DMG 精機は4月18日、同社グループ最大の生産拠点である伊賀事業所(三重県伊賀市)に、工作機械のベット・コラムなど、大物鋳物部品の加工を行う第3精密加工工場を稼働開始したと発表した。

 伊賀事業所では、これまで 2 棟の精密加工工場にて内製部品の加工を行っていたが、5 軸・複合加工機の需要増加による大型高精度・高品質部品の生産増加への対応や、内製化や工程集約による品質向上、生産性向上をさらに推進するため、3棟目となる第3精密加工工場を新設し、稼働開始した。

 DMG 精機は、製品の品質向上、開発から生産までのリードタイムの短縮、需要の好不況の循環に左右されない製品の安定供給などを目的に、かねてより、主軸やボールねじ、タレットや ATC、スケールなどキーコンポーネンツの内製化を促進してきた。2023 年から開始した「中期経営計画 2025」においても、グローバルで安定的に製品を供給できる体制の強化を目標としており、精密部品の内製化にグループ内で生産する最新の工作機械や周辺技術、デジタル技術などを導入できることはDMG 精機の大きな強み。

 第3精密加工工場では、フロンテン工場(ドイツ・バイエルン州)で生産された超大型5軸加工マシニングセンタ DMU 1000 SE を 3台導入し、工作機械に使用するベット・コラムなど大物鋳物部品の加工を行う。現在 2台目の設置が完了し、5月から本格稼働する。2025 年に導入予定の 3台目には研削仕様を追加し、これまで他社製の専用機で行っていた研削工程の工程集約を自社製の機械で実現する。従来使用していた、他社製の大型 5面加工機 5台と大型研削盤 4台の合計 9台を、同社製の DMU 1000 SE 3 台に置き換えることにより、工程間のワーク搬送や段取り替えの時間や加工時間が短縮される。また、機械台数の削減に伴う中間在庫や工場スペースの削減によって、GX(グリーン・トランスフォーメーション)につながる。

 DMG 精機はマシニング・トランスフォーメーション(MX)を推進しており、DX を用いて工程集約、自動化を積極的に促進し、GX を実現する同社拠点は、訪問顧客に具体的に MX 導入について体感するショールームの役割も担っている。今後、高精度かつ高効率な内製化のノウハウをグループ全体にも展開するとともに、世界中の顧客の生産性向上、サステナブルな社会の実現へ邁進していく。

<第3精密加工工場 概要>
所在地 : DMG 森精機株式会社 伊賀事業所内 (三重県伊賀市御代 201)
建築面積 : 5,698 ㎡(延床面積 5,616 ㎡)
建屋構造 : 地上 1 階
操業開始 : 2023 年 8 月 建物完成、2024 年 5 月より本格稼働
総投資額 : 約 25 億円(建物)、約 30 億円(機械)
生産内容 : ベット・コラムなどの大物鋳物部品の切削・研削加工
生産能力 : 年間約 14,000 トン分の鋳物加工(DMU 1000 SE 3 台導入後)

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