建設機械、2018暦年統計まとめ:生産は7.6%増の1兆7,467億円、貿易統計の輸出は11.7%増の1兆2,327億円

■総出荷金額(建機工)は8.1%増の2兆7,589億円

(*億円以下は切捨て表記)

 建設機械の世界需要が回復しており、2019年も引き続き高水準を維持する見通し。日本企業では2018年度第3四半期決算、海外企業では2018年通期業績が発表される中、一部企業では2019年・年度の業績は、比較的明るい見方が多い。米キャタピラー(CAT)が先に発表した2019年1月の機械小売統計は全世界で9%増(18年1月:34%増)、アジア/パシフィックは4%減(同:51%増)、EAME(欧州・アフリカ・中東)は4%増(同:31%増)、中南米4%増(同:49%増)、北米20%増(同:23%増)となった。2017年7月に2012年11月以来4地域すべてが18カ月連続プラスとなったが、18年年末になり、アジア地域にブレーキがかかってきたことも事実。

 2019年1月の中国油圧ショベル販売台数は、前年比10%増(18年1月:135%増)と伸び率は鈍化しているが、2月11日から始まった春節明け商戦、今年は、春節時期が早かったこともあり、2~4月(前年は3~5月)の結果が注目される。また、世界的市場における数量ベースは、通期横ばいでも大手各社は価格実現で数%増の見方は固いとも見られている。

 2月に入って決算発表が相次ぐ欧米建機メーカーが発表している2019年Outlookにみる世界需要見通しは、一部に2019年後半における景気減速懸念はあるとしつつも、総じて数%程度の増加を見込んでいる。引き続き、一帯一路政策と景気刺激策を打ち出している都市化政策をすすめる中国、大規模なインフラ投資を打ち出しているトランプ政権の米国、ミニ・小型建機を主体にリーマンショック以前の過去最高水準に戻った欧州、これに連動し力を取り戻したインドネシアを主とする東南アジア市場、鈍足ながら需要の出てきたインドなど、2016年を底に回復している世界の鉱山機械(マイニング)も主力市場の統計を見る限り需要は比較的堅調で、対前年比で伸び率は鈍化したとしても2019年は前年水準を維持しそうだ。実際、米キャタピラーは見通しについて、「当社の多様な最終市場のファンダメンタルズ、ならびにマクロ経済および地政学的環境に基づき、緩やかな売上増加が見込まれる」としている。

 最近発表された2018年(1~12月)の国内統計(現地生産分は除く)を経済産業省の機械統計、日本建設機械工業会の出荷額統計、財務省の貿易統計を過去5年データをPDFに整理してみた。(約2,200字+図表15点)

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