
三井倉庫ロジスティクスとT2は8月31日、日立産機システムの空気圧縮機やサービス部品を自動運転トラックで輸送する実証を、6月から8月にかけて関東―関西間の高速道路を中心に実施したと発表した。レベル4自動運転トラックによる幹線輸送を見据え、自動運転を組み込んだ輸送オペレーションの有効性や、高効率な輸送体制の構築可能性を検証。今後、実証結果を踏まえ、日立産機製品の定期輸送を含めた自動運転トラックの活用を検討する。
実証は6月22日、7月21日、8月17日の計3回実施。日立産機の相模事業所(神奈川県綾瀬市)から、グローバル部品センター尼崎(兵庫県尼崎市)および関西物流センター(大阪市)まで、約456kmを輸送した。このうち、レベル2自動運転区間は東名高速道路の綾瀬スマートICから名神高速道路の尼崎ICまでの約450km。
実証では、日立産機が物流拠点・運行ルートの選定および貨物の手配を担当。三井倉庫ロジスティクスが自動運転トラックを組み込んだ効率的な輸送オペレーションの構築を検討し、T2が自動運転トラックの提供、走行データの収集・分析、技術検証を担った。積載物には空気圧縮機とサービス部品を使用した。
検証項目は、自動運転を組み込んだ運行オペレーションの有効性、走行ルートとリードタイムの妥当性に加え、「トランスゲート」を活用した高効率輸送オペレーションの可能性など。
トランスゲートは、T2がレベル4自動運転を見据えて整備を進める拠点で、高速道路における無人運転区間と、インターチェンジから物流拠点などまでの一般道における有人運転区間を切り替えるため、ドライバーがトラックに乗降する。今回の実証では、神奈川県綾瀬市の東名高速道路・綾瀬スマートIC付近に設置された「トランスゲート綾瀬」の将来的な活用を想定し、同拠点から約1.7kmに位置する日立産機の相模事業所を出発地とした。
トランスゲートに近接した物流施設を出発地とすることで、有人運転区間を短縮できる。これにより、ドライバーや車両の割り当てを効率化できるほか、往復運行など複数の輸送パターンとの組み合わせも容易になる。3社は今回の実証を通じ、レベル4自動運転トラックの導入を前提とした効率的な輸送オペレーションの実現可能性を検証した。
三井倉庫ロジスティクスとT2は2023年に資本業務提携を締結。物流業界の人手不足などの社会課題への対応と、T2が2027年度以降の開始を目指すレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を見据え、輸送オペレーションの構築に向けた取り組みを進めている。
2025年には、T2が開発したレベル2自動運転トラックを使用し、三井倉庫ロジスティクスの顧客貨物を輸送する実証を実施。その後、同年7月からT2が実証を行った企業向けに定期輸送を提供する商用運行に三井倉庫ロジスティクスが参画している。
今回の実証は、こうした両社の取り組みを日立産機との3社共同に発展させたもの。産業機械を対象とした自動運転トラック輸送の先行事例として、実際の物流工程における自動運転の組み込みや、レベル4運行を見据えた拠点配置・ドライバー運用の検証を進めた。
今後、三井倉庫ロジスティクスとT2は、今回確認した輸送工程やオペレーション上の知見を生かし、日立産機製品の定期輸送を含め、自動運転トラックを活用した将来的な輸送サービスの可能性を検討していく。
レベル4は、特定の走行環境条件を満たす限定領域で、自動運行装置が運転操作のすべてを代替する状態を指す。レベル2は、ドライバーの監視下で特定条件において高機能な自動運転を行うもの。今回の実証では、安全確保が必要な状況などにおいてドライバーが一時的に運転操作を行う運用とした。
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