東急建設、古河ロックドリル製の全自動ドリルジャンボを山岳トンネル工事に試行導入

・切羽作業を省人化、穿孔データ活用で発破計画の最適化へ

東急建設は8月28日、山岳トンネル工事における発破掘削の穿孔作業の安全性向上と省人化を目的に、全自動ドリルジャンボ「ロボロック」を試行導入したと発表した。国土交通省近畿地方整備局発注の「有田海南道路1号トンネル工事」に適用し、従来と同等の施工精度を確保しながら、穿孔作業の編成人員を従来の5人から1人へ削減した。

今回導入したのは、古河ロックドリル製の全自動ドリルジャンボ「ロボロック」(J32RX-Hi)で、3ブーム・2マンゲージ仕様。従来の山岳トンネルにおける発破掘削では、ドリルジャンボの作業籠(マンゲージ)を使用して作業員が切羽近傍で穿孔位置のマーキングを行い、その後、キャビン内で各ブームをオペレーターが操作し、目視で穿孔位置を確認しながら手動で穿孔していた。

こうした作業は、オペレーターの経験や技能への依存度が高く、熟練作業員の減少を背景に、省人化・省力化が課題となっていた。また、切羽は落石などの危険性が高い作業場所であることから、作業員が切羽内に立ち入る時間を低減し、安全性を高めることも求められていた。

ロボロックの導入では、専用ソフトを用いて穿孔計画を作成し、自動で穿孔する方式を採用。従来、マーキング作業とブーム操作に従事していた標準5人の作業員を、操作室内の1人に集約した。これにより、切羽近傍での作業を大幅に減らしながら、従来と同等の施工精度を確保した。

東急建設は今回の試行で、単なる省人化にとどまらず、全自動ドリルジャンボから取得できる穿孔位置、穿孔角度、穿孔エネルギーなどのデータを収集・分析。これまで作業員の経験や技能に依存していた「暗黙知」の見える化にも取り組んでいる。

さらに、車載式3Dスキャナを用いて、トンネル掘削時の余掘量や切羽面の平滑度を測定。その測定結果と穿孔データを組み合わせて分析することで、熟練作業員の経験や技能に依存せず、発破計画を最適化できる施工管理用システムの開発を進めている。

今後は、計測作業のさらなる効率化に向け、車載式3Dスキャナに代えてドローンを活用し、余掘量や切羽面平滑度を測定する手法も試行する。自動穿孔、施工データの収集・分析、3次元計測を組み合わせることで、山岳トンネル工事における施工の省人化・高度化を目指す。

■導入機械概要
機械名:全自動ドリルジャンボ「ロボロック」
メーカー:古河ロックドリル
型式:J32RX-Hi
仕様:3ブーム・2マンゲージ

■適用工事
工事名:有田海南道路1号トンネル工事
発注者:国土交通省近畿地方整備局
導入目的:発破掘削における穿孔作業の省人化、安全性向上
編成人員:従来5人→試行1人
主なデータ:穿孔位置、穿孔角度、穿孔エネルギーなど
今後の取り組み:穿孔データと3次元計測データを活用した発破計画の最適化、ドローンによる切羽計測

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