コベルコ建機、教習所で全国初の遠隔操作トレーニング実証「K-DIVE®」活用のDX×トレーニング

・技能講習の待機時間を有効活用

コベルコ建機は8月31日、子会社のコベルコ教習所・市川教習センター(千葉県市川市)で、重機遠隔操作システム「K-DIVE®」を活用した新たな建設機械教育プログラムの実証トライアルを実施したと発表した。実機による技能講習に加え、待機時間を活用したシミュレータ体験と遠隔操作トレーニングを組み合わせた「DX×トレーニング」を検証したもので、車両系建設機械の運転技能講習において遠隔操作トレーニングを実施した取り組みとして全国初(2026年6月同社調べ)となる。

建設業界では人手不足と技能継承が深刻な課題となる中、効率的で柔軟な人材育成手法の確立が急務となっている。教習所では実技講習の運営上、受講者の待機時間が発生しやすく、その有効活用と学習機会の拡大が求められてきた。こうした背景を受け、同社は千葉労働局で「K-DIVE®」搭載機が技能講習用設備として登録されたことを契機に、本トライアルを実施した。

実施期間は2026年8月4~6日。検証項目は以下の通り。

  1. 「K-DIVE®」を活用した遠隔操作トレーニングの実用性
  2. シミュレータと遠隔操作を組み合わせた教育プログラムの有効性
  3. 受講者の満足度・価値認識
  4. 待機時間活用による運営面での有効性

参加者は、車両系建設機械(解体用)運転技能講習受講者(遠隔操作を取り入れた講習)と、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習受講者(シミュレータ活用講習)。実機講習と並行し、「K-DIVE®」を搭載したトラック「Mobile DIVE Spot」を用いた遠隔操作トレーニングを実施した。

アンケート結果では、シミュレータ活用トレーニングについて講習参加者全員が「建設機械操作の理解促進や習熟支援に有効」と評価。従来の資格取得向け講習とは別に、自主練習や講師による有料指導サービスについても約78%が利用意向を示した。一方、「K-DIVE®」による遠隔操作トレーニングについては約86%が「価値を感じる」と回答。遠隔操作技術の将来性や体験機会の希少性を評価する声が多く、同技術への高い関心が確認された。

同社は「K-DIVE®」を単なる遠隔施工技術ではなく、建設現場の課題解決に貢献するソリューションと位置付けている。今回のトライアルでは、人材育成・技能伝承分野での新たな活用可能性を検証し、待機時間の有効活用による教育効果向上とともに、「K-DIVE®」の遠隔切替え機能を活用した新教育プログラムの可能性を確認した。

将来的には、国内外を問わず最適な場所に配置された建設機械や、多様な機種・仕様の機械を遠隔で活用することで、教習所の設備制約を低減。受講者ニーズに応じた柔軟かつ高度なトレーニング環境の実現を目指す。同社は本トライアルの知見を基に、シミュレータや遠隔操作を活用した建設機械教育の高度化を進め、人材育成・技能伝承課題の解決と「K-DIVE®」活用領域の拡大を図っていく方針だ。

ニュースリリース