日立エナジー、EconiQ新規受注でSF₆フリー送電網移行を加速

・北米・欧州で大型案件獲得、CIGREパリ大会でラインアップ拡充を発表

日立エナジーは8月27日、SF₆(六フッ化硫黄)ガスフリー高電圧開閉装置「EconiQ」の新規受注を相次いで獲得し、電力会社による送電網の脱炭素化と近代化を後押ししていると発表した。同社は同月パリで開催されたCIGRE大会で製品ラインアップの拡充も発表し、SF₆フリー技術分野でのリーダーシップをさらに強化した。
今回受注したのは、北米のHydro One Networks Inc.(ハイドロ・ワン)およびWesco(ウエスコ)向けの新製品「EconiQ 245 kV単体遮断器」と、ドイツ大手送電事業者テネット向けの「EconiQ 420 kV 80 kAがいし形遮断器」。いずれも、信頼性を維持しながら環境負荷を低減する実用ソリューションとして評価された。
ハイドロ・ワンはオンタリオ州最大の送配電事業者。州内で電力需要の増加が見込まれる中、送電インフラの近代化と系統レジリエンス強化を進めている。新製品は同社の環境負荷低減と将来需要対応に貢献する。同社サプライチェーン担当バイスプレジデントのLindsay Zylstra氏は「信頼性と強じん性を備えた送電網維持には、革新的で持続可能なソリューションへの継続投資が不可欠。日立エナジーの州内事業拡大はサプライチェーン強化につながる」とコメントした。

ウエスコはペンシルベニア州に本社を置くFORTUNE 500企業で、企業間取引向け流通・物流・サプライチェーンサービスを展開。同社ユーティリティ事業のJames Cameron氏は「日立エナジーの550 kV EconiQ遮断器の最初の導入顧客として、信頼性を維持しつつサステナビリティ目標達成に寄与するインフラ需要を支持する。245 kV単体遮断器はその両方を実現する」と述べた。

欧州では、テネットがオーバーハイト変電所での導入実績に続き、新たに420 kV 80 kAがいし形遮断器を発注。ドイツ全土で環境負荷低減と高信頼性を両立した送電網構築を目指す同社の取り組みを支援する。再生可能エネルギー導入拡大や国境を越えた電力取引増加に伴う潮流変化への対応力向上、総延長2万5000km超の送電網信頼性向上にも寄与する見通しだ。

日立エナジーのハイボルテージプロダクツビジネスユニットCEO、マルクス・ハイムバッハは「開閉装置は数十年にわたって使用される設備。電力会社が今日導入する機器の選択は、2060年の電力系統の排出量にも影響を与える。だからこそEconiQのラインアップを電圧・性能クラスごとに拡充し、実績あるSF₆フリー技術を提供している」と強調した。
EconiQは日立エナジーのSF₆フリー高電圧開閉装置ポートフォリオ。電圧クラスの拡充に伴い採用が拡大し、現在40カ国の顧客から累計4000台超を受注している。今回300kVおよび80kA対応の420kV製品を追加したことで、これまで代替手段が限られていた領域にも対応可能となり、電力会社の長期的な設備投資判断を後押しする。

SF₆は高電圧開閉装置の絶縁・遮断媒体として広く使われてきたが、温室効果がCO₂の2万4,300倍、大気中残留期間が1,000年以上とされ、代替への関心が世界的に高まっている。ネットゼロ目標を掲げる電力会社にとって、信頼性を維持しながら環境負荷を低減することは重要な課題だ。日立エナジーはEconiQを通じてこの移行を支援し、持続可能なインフラ実現に貢献していく方針である。

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