DMG森精機、工作機械の予兆保全を標準化、「Condition Agent」をCELOS Clubに搭載

・AI分析で設備停止リスク低減

DMG森精機は7月6日、工作機械の稼働データを活用した予兆保全サービス「Condition Agent(コンディション・エージェント)」の提供を開始したと発表した。工作機械向けデジタルサービス「CELOS Club(セロス・クラブ)」の機能拡張として開発したもので、ヒューマンマシンインタフェース「ERGOline X with CELOS X」搭載機では標準機能として採用し、2026年4月受注分から適用している。

同社は、工作機械単体の性能向上に加え、自動化、ソフトウェア、サービスを融合した「MX(マシニング・トランスフォーメーション)」を推進しており、製造プロセス全体の高度化に取り組んでいる。今回のCondition Agentは、機械のライフサイクル全体における安定稼働と保全業務の高度化を目的とした新たなデジタルサービスとなる。

近年、製造現場では工程集約や自動化の進展に伴い、設備停止による生産への影響が拡大しており、突発的な故障を未然に防ぐ予兆保全への需要が高まっている。また、保全ノウハウの属人化や、工作機械の高機能化による対応人材不足も課題となっている。

同社はこれまで、工作機械の予兆保全サービス「WALC CARE」を展開してきたが、今回、診断対象や分析機能を拡充したCondition Agentを開発。機械状態を可視化するとともに、熟練者の経験や勘に依存しない高精度な設備保全を支援する。

Condition Agentは、工作機械の主軸や送り軸に加え、ツールチェンジャ、パレットチェンジャなど幅広いコンポーネントを診断対象とする。専用NCプログラムを実行して取得した稼働データをクラウド上で分析し、同社が機械設計・製造で蓄積してきたデータとAI技術を組み合わせることで、経年変化や異常兆候を自動検知する。

診断結果は、カスタマーポータル「my DMG MORI」上で確認でき、工作機械本体や各コンポーネント単位で状態を一覧表示できる。異常兆候が検出された場合には通知機能により迅速な対応を促し、計画保全の実現を支援する。

また、特別な測定機器を必要とせず、現場で簡単な操作により数分程度で診断できる点も特徴である。日常的な設備状態の把握が可能となり、保全作業の効率化や設備停止時間の削減につながる。

さらに、Condition Agentは対象機種であれば、同社既設機や他社製工作機械にも専用キットによる追加搭載が可能。既存設備を含めた予兆保全情報の一元管理を可能にし、生産現場の監督者やオペレーターのメンテナンス負担軽減を図る。

同社では今後、ERGOline X with CELOS X搭載機への標準搭載を2027年までに全機種へ展開する計画である。設計寿命の長期化や主要コンポーネントの保証期間延長などの取り組みとも連携し、工作機械のライフサイクル全体にわたる安定稼働の実現を目指す。

■「Condition Agent」の主な特長
・主軸、送り軸、ツールチェンジャ、パレットチェンジャなど幅広い部品を診断し、設備状態を定量的に把握
・Webアプリケーション画面で診断結果を確認可能
・異常兆候検知時の通知により迅速な保全対応を支援
・ERGOline X with CELOS X搭載機へ標準搭載(2027年までに全機種展開予定)
・既設機や他社製工作機械にも専用キットで追加搭載可能

DMG森精機は、工作機械、ソフトウェア、サービスを融合したスマートファクトリー化を推進し、製造現場の生産性向上と設備の長期安定稼働に貢献していく。

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