英JCB、穀物生産展示会「Cereals」で新型高速トラクター「ファストラック6300」を披露

・高効率ハンドリング機も併せて訴求

JCB:2026年6月11日

JCBは、英国で開催された農業展示会「シリアルズ(Cereals)」において、新型335馬力トラクター「ファストラック6300(Fastrac 6300)」を中心に、高生産性を追求したマテリアルハンドリング機群を出展した。穀物、バルク肥料、ベール(梱包飼料)の搬送・荷役効率向上を提案し、耕種農業向け製品ラインアップを紹介した。

今年のシリアルズは、英国コッツウォルズ地域のディドリー・スクワット農場(Diddly Squat Farm、オックスフォードシャー州チャドリントン)で6月10~11日に開催された。全国から農業従事者が来場し、高品質な穀物・油糧作物の栽培に向けた新品種、土壌管理、農業機械などの最新技術を確認した。

JCBの「ファストラック(Fastrac)」シリーズは、高出力、高い牽引性能、高速移動性能、四輪操舵による優れた機動性を組み合わせた独自コンセプトで知られる。前後アクスルサスペンションを標準装備し、長時間作業時の快適性に加え、圃場と公道双方で安定した走行性能を実現している。

また、商用車基準の制動システムと大型アウトボードディスクブレーキを採用し、サスペンション付きアクスルとの組み合わせにより、最高時速66kmでの公道走行にも対応する。

今回展示した新型ファストラック6300は、比較的コンパクトで取り回しに優れた車体に高出力を搭載したモデルで、耕起、播種、農産物輸送など耕種農業用途を想定した仕様となる。

新開発エンジンと無段変速トランスミッションを組み合わせ、速度変化を滑らかにしながら高効率な動力・トルク伝達を実現。キャビン内には高いカスタマイズ性を備えたタッチスクリーン型操作システム「アイコン(iCON)」を採用し、ISOBUS対応作業機制御や精密農業機能を標準搭載した。

精密農業機能では、自動旋回パターンを選択可能なマルチモードガイダンスシステムや、起伏地でも高精度な作業を可能にする独自のデュアル衛星受信システムを装備している。

展示会場では、JCBブースでの静態展示に加え、別のファストラック6300がアマゾーネ(Amazone)の牽引式スプレーヤーを装着して実演を実施。また、235馬力仕様の「ファストラック4220(Fastrac 4220)」2台が、アマゾーネ(Amazone)およびランドクイップ(Landquip)の脱着式スプレーヤーと組み合わせて走行し、前後リンク機構に加えて荷台スペースを第三の装着ポイントとして活用できるファストラックの特徴を紹介した。

■荷役機械群も高効率モデルを展開

JCBはローディングショベル、テレスコピックホイールローダー、テレハンドラーまで幅広い荷役機械を展開している。内蔵計量機能や自動化機能などを搭載し、生産性向上と操作性改善を図っている。

高所荷役用途では、新型テレハンドラー「ロードオール542-100(Loadall 542-100)」を紹介。最大4.2トンの揚重能力と9.8mの揚高を備え、油圧駆動とパワーシフトの長所を組み合わせた独自トランスミッション「デュアルテックVT(DualTech VT)」を搭載する。

従来機「ロードオール536-95(Loadall 536-95)」と同等サイズながら高い揚重性能を確保し、オプションの最高時速50km仕様では圃場と施設間の移動効率向上も図る。

また、バルク荷役向けでは「ロードオール560-80(Loadall 560-80)」を展示。新たに「アグリプロ(AGRI Pro)」仕様を設定し、40km仕様のデュアルテックVTトランスミッションと強化ドライブライン、173馬力「ディーゼルマックス(DieselMAX)」エンジンを組み合わせた。

強化アクスル、500mm幅タイヤ、全輪油圧ブレーキを採用するとともに、油圧流量を160L/分へ14%増強し、作業サイクル時間を短縮した。

さらに、肥料や穀物倉庫向けの大量荷役用途として、ホイールローダー「437アグリ(437 Agri)」を出展した。同機は車両重量15トン、積載能力4.7トン、195馬力エンジン、5速パワーシフトトランスミッションを搭載し、入庫・出庫双方で高い荷役効率を発揮する。

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