ダンフォス、フランスのヒートポンプ生産拠点に1,000万ユーロの追加投資を実施

ダンフォス(Danfoss)2026年6月1日

ダンフォスは6月1日、フランス・レイリュー(Reyrieux)の生産拠点に対し、1,000万ユーロ(約18.6億円、186円換算)の追加投資を実施すると発表した。同拠点はヒートポンプ向け主要部品を製造しており、集合住宅向けのほか商業・産業用途にも対応する。今回の投資は、2015年から2025年にかけて同拠点に投じられた6,100万ユーロに続くものとなる。

フランスでは近年、エネルギー情勢の変化を背景に電化戦略の加速が進んでいる。政府は2030年までに年間100万台以上のヒートポンプ設置を目指すとともに、2027年までに国内生産を3倍に拡大し、3万人の設置技術者を育成する方針を掲げている。これにより同国は、ヒートポンプの製造・導入分野で欧州の主導的地位を狙う。

今回の投資は、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領主催の「チューズ・フランス・サミット(Choose France Summit)」において発表された。レイリュー拠点では、再生可能エネルギーの現地発電設備導入、省エネ対策の強化、作業環境の近代化が進められ、持続可能性と職場環境の向上を図る。

ダンフォスの社長兼CEOであるキム・ファウシング(Kim Fausing)氏は、「当社はグローバルな技術リーダーとして、生産能力および試験・開発拠点の強化に投資しており、これは『リープ2030(LEAP 2030)』戦略の中核である。レイリューへの投資は、電化およびヒートポンプ需要の拡大に対応するものだ。同時に、こうした拠点投資は顧客との距離を縮め、サービス水準や競争力、レジリエンスの向上につながる」と述べた。

レイリュー拠点は、延床面積1万2,000平方メートルと4,500平方メートルの2施設で構成され、約410人を雇用する。グローバルな生産体制を背景に、ヒートポンプ用コンプレッサー分野での同社の地位を支えている。今後の改修では、約4,000平方メートルのオフィスと600平方メートルの生産エリアが刷新される。

投資総額1,000万ユーロのうち100万ユーロは、駐車場4,000平方メートルを覆うソーラーカーポート設置に充てられ、拠点電力需要の約7%を賄う見込み。外壁の全面改修により断熱性能を向上させ、エネルギー使用量の削減も図る。残る資金は作業空間の全面的な改善に投入される。

これらの取り組みは、2030年までに自社事業の脱炭素化を目指す同社方針に沿うもの。加えて2026年には600万ユーロの別途投資も計画しており、研究開発(R&D)分野では新たな試験設備や試作機器の導入、生産設備の更新、調達体制の強化、建屋の近代化などが進められる。

同拠点では2015年から2025年にかけて、欧州最大級のATEX認証試験施設を整備するなど戦略投資を継続してきた。これにより、欧州の厳格な安全基準に対応した新製品の開発・試験能力を強化し、冷媒転換の加速にも寄与している。こうした技術基盤は、欧州におけるヒートポンプ市場拡大の支えとなっている。

またファウシング氏は、フランス政府によるヒートポンプ国内生産の3倍増計画について、「欧州の重要技術への戦略投資を示すものだ。当社はこの取り組みを支持するとともに、欧州各国のリーダーにも追随を呼びかけたい。欧州が優位性を持つ重要技術への投資拡大は、エネルギーのレジリエンスと産業競争力を高める最も迅速な道であり、気候目標の達成にもつながる」と強調した。

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