ユングハインリッヒ(Jungheinrich):2026年4月20日
ユングハインリッヒは4月20日、AIソフトウェア企業のモノリス(Monolith)と連携し、バッテリー開発において予測AIモデルの活用を進めると発表した。電池試験データをもとに性能を早期に予測し、技術判断の迅速化と物理試験の削減を図る。
同社は、産業用機器大手として電動フォークリフトなどの電動化製品群を拡大しており、電池性能の評価と車両への統合は一層複雑化している。こうした中、開発初期段階の試験データを活用し、モノリスのAIエンジニアリングツールにより製品性能に関わる主要指標を予測する。
具体的には、実環境で取得した試験データを用いて機械学習モデルを構築・検証し、信頼性の高いインサイトを早期に取得。これにより、より迅速かつ合理的な技術判断を可能とするとともに、大規模な物理試験の負担軽減につなげる。開発プロセス全体で蓄積される膨大な測定・試験データは、モノリスのプラットフォーム上で統合的に活用される。
今回の取り組みでは、試験データを予測モデルへと変換することで、電池技術の評価・選定の最適化を目指す。AIを活用したデータドリブンな開発手法は、開発期間の短縮とコスト低減、さらには持続可能な製品開発の実現に向けて重要性が高まっている。マッキンゼー(McKinsey)の調査によれば、AI活用により複雑な製造業における研究開発プロセスは20〜80%の効率化が可能とされる。
モノリスのソフトウェアは、試作や試験の回数削減を支援し、設計や検証の重要課題にエンジニアが集中できる環境を提供する。また、ユングハインリッヒは、試験データやモデル知見、将来の実験に関する提案を一元的に管理・共有できるエンジニアリングインテリジェンス基盤も活用する。これにより、開発初期段階での意思決定を可能にし、試験工数やコストの削減を実現する。
ユングハインリッヒのHWテスティング責任者であるアンドレアス・ミュンツ博士(Dr Andreas Münz)は、「電動産業車両のラインアップ拡充において、電池技術を迅速かつ確実に評価する能力は競争力維持の鍵となる。モノリスとの協業により、試験データをより有効活用し、重要な性能特性を早期に把握することで、次世代の高効率かつ持続可能な製品開発を支える」と述べた。
また、モノリスのCEO兼創業者であるリチャード・アルフェルド博士(Dr Richard Ahlfeld)は、「電動化は産業機械分野の将来を左右する重要要素であり、電池性能の最適化は新製品の市場投入スピードを決定づける。AIによる試験データ解析を通じて、複雑なデータを実用的な知見へと変換し、迅速かつ確信度の高い意思決定を支援する」とコメントしている。
モノリスは、複雑な設計・試験・運用データをモデル化し、製品開発の高度化と迅速化を支援する産業向けAI企業。メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)や日産自動車(Nissan)などの自動車・航空宇宙分野の大手企業と実績を持つ。2025年にはコアウィーブ(CoreWeave)による買収を受けており、産業分野におけるAI需要の高まりを背景に事業拡大を進めている。
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