中国の大手油圧機器メーカー、江蘇恒立液圧股份有限公司(Hengli Hydraulics、江蘇省常州市)は4月21日、2025年(1~12月)業績を発表した。売上高は前年同期比16.5%増の109億4,100万元(約2,516億円)、初めて100億元を突破した。営業利益は同9.3%増の30億4,400万元(約700億円)、上場企業の株主に帰属する純利益(最終利益)は同9.0%増の27億3,400万元(約629億円)と過去最高を更新した。総資産は216億7,100万元(同10.35%増)、純資産は172億8,000万元(同9.54%増)となった。(1元約23円換算、以下、2025年報告より抜粋)
恒立液圧2025年データ
■建機需要回復を背景に増収増益
2025年は建設機械市場が内外ともに回復基調で推移し、油圧機器需要も拡大。特にショベル向け油圧製品の売上は20%超の伸びとなり、中大型ショベル向けポンプ・バルブは約40%増と大きく伸長した。これにより、従来は海外メーカーが優位だった超大型機向け高圧油圧ポンプ分野で国産化を進展させた。
また、海洋エンジニアリング、水利、射出成形、鍛圧、風力発電、農業機械など多分野で事業を拡大し、顧客基盤を強化。海外ではメキシコ拠点が稼働を開始したほか、英国、イタリア、インドネシア、ギニアにサービス拠点を設置し、「製品輸出」から「製造・サービス・ブランドの海外展開」へと段階を引き上げた。
さらに、超大型油圧シリンダーおよびリニアドライブ関連事業も本格稼働。リニアガイドは年産36万メートル、精密ボールねじは年産7万セットの生産能力を整備し、300社以上の顧客を獲得した。加えて、プラネタリーローラねじも試作・初期量産段階に入り、精密伝動分野の拡充を進めている。
■大型案件・新分野で実績
当期は、全長156メートル級の杭打ち船向け閉式エネルギー回収システムや、世界最大級の開閉用油圧シリンダーを開発・納入。中国の大型インフラ「平陸運河」プロジェクトにも参画し、水利向け高級装備分野へ本格参入した。
農機分野では、大馬力トラクターやコンバイン向けに高圧ピストンポンプや多連弁を供給し、国内外大手メーカーのサプライチェーンに参入。高所作業車向けでは走行モーターや閉回路ポンプで国際水準の性能を確保し、複数の主要メーカーから長期受注を獲得した。舗装機械分野でも国内メーカーとの協業を深化させ、シェアを拡大している。
■研究開発と国家プロジェクト推進
同社は研究開発投資を強化し、基礎・先端研究を継続。電動建機向け主要部品や一体型リニアアクチュエータ、高級産業機械向け転がり機能部品など、国家級プロジェクト7件を推進した。高付加価値油圧システムやスマート製品の開発を加速し、技術自立と高度化を図る。
■業界動向:高付加価値化と国産化が進展
中国液圧気動密封件工業協会によると、2025年の中国油圧産業の生産額は約820億元規模に達し、「第14次五カ年計画」期間を通じて安定成長を維持。2024年の輸出入総額は51.9億ドルで、輸出が輸入を上回り貿易黒字へ転換した。今後は高性能化、スマート化、環境対応が進む一方、コア技術や人材不足が課題とされる。
■今後戦略:国際化・多角化・電動化を推進
同社は今後、「国際化・多角化・電動化」を軸とする成長戦略を推進する。海外生産体制の拡充と現地サービス強化によりグローバル市場での存在感を高めるとともに、電動化対応の制御・アクチュエータ製品の開発を進める。
■2026年計画:品質・技術・海外・効率を強化
2026年は①品質・安全の徹底、②研究開発強化によるコア技術確立、③海外市場開拓の加速、④デジタル化とリーン生産による効率向上――の4点を重点施策とする。資源配分の最適化や組織改革を進め、持続的な高成長と競争力強化を目指す。
上海証券取引所開示ページ(コード:601100)
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