不二越、2024年11月期第1四半期売上は9.9%減の593億円、通期予想2,500億円は変更せず

 ㈱不二越が4月4日に発表した2024年11月期第1四半期(2023年12〜24年2月)連結業績によると、売上高は、国内を中心に自動車生産が回復し、設備需要も一部で増加 したが、産業機械・建設機械・市販分野では中国など海外需要の減少を受け、593億38百万円(前年同期比 9.9%減)となった。このうち、国内売上高は296億88百万円(同2.0%増)、海外売上高は296億49百万円(同 19.2%減)となった。利益面については、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁や、生産ラインの自動化・合理化、調達コストダ ウンにとり組み、為替も円安で推移したが、前期から継続する原材料価格の高騰に加え、ロボット・油圧機器などでの操業度の悪化が大きく影響し、営業利益は11億83百万円(同69.8%減)、経常利益は7億54百万円(同 77.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億56百万円(同83.9%減)となった。

 第1四半期における不二越グループをとり巻く環境は、自動車分野を中心に経済活動の緩やかな回復が進み、日本・米州をはじめとする先進国経済の持ち直しが見られた。一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高止まりや中東情勢の緊迫化、欧米での金融引き締めに伴う影響に加え、中国経済の減速に伴う 海外景気の下振れ懸念など、先行き不透明な状況が継続している。

 このような状況のもと、不二越グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり 組んだ。また、利益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、事業全般の構造改革を推進した。

■セグメントの業績
 機械工具事業では、国内などで工作機械需要の戻りはあったが、自動車・産業機械・市販分野では中国経済の減速に伴い、工具・ロボットの需要が減少し、売上高は182億10百万円(前年同期比20.5%減)となり、営業利益 は操業度の悪化などにより、5億17百万円(同79.0%減)となった。

 部品事業では、自動車の生産回復に伴い、カーハイドロリクスの需要が堅調に推移したが、建設機械分野の生産調整の影響で中国・欧州で油圧機器の需要が減少し、売上高は371億73百万円(同4.2%減)となり、営業利益は油圧機器での操業度の悪化や原材料価格の高騰などにより、3億44百万円(同71.7%減)となった。

 その他の事業では、国内での特殊鋼需要の減少を受け、売上高は39億54百万円(同4.5%減)となった。一 方、営業利益は、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁などにより、3億3百万円(同22.5%増)となった。

■今後の見通し
 2024年11月期通期の連結業績予想については、2024年1月11日発表の予想数値(下記)は据え置いている。
 売上高2,500億円(前期比5.8%減)、営業利益 100億円(同15.8%減)、経常利益90億円(同18.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益60億円(同7.3%減) を見込んでいる。

 不二越の2024年11月期第1四半期決算短信
 第1四半期決算補足資料