電源開発(Jパワー)、北海道上ノ国町でデータセンター事業

・27年夏サービス開始、グリーンDCを目指す

電源開発(Jパワー)は8月17日、北海道上ノ国町で同社初となるデータセンター(DC)事業を実施することを決定したと発表した。最新鋭GPUを搭載したDCを自社で建設・運用し、生成AIの開発やシミュレーションなどに必要な「計算力」を顧客に販売する。サービス開始は2027年夏を予定している。

プロジェクト名称は「上ノ国データセンター(仮称)プロジェクト」。北海道上ノ国町に40ftコンテナ、GPU搭載サーバー、冷却設備などを設置する。GPUにはNVIDIAの「HGX B300」および「RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition」を採用する。設計・調達・建設(EPC)はミライト・ワンが担当する。

Jパワーは、これまで培ってきた電力インフラに関する知見を生かし、DCの建設から計算力の販売までを一気通貫で手掛ける。DC事業の事業性を高めるとともに、次世代インフラとして需要拡大が見込まれるDC事業の運営ノウハウを蓄積する。

DCの運用では、Jパワーの出資先であるモルゲンロットの技術を活用する。同社の「MORGENROT TailorNode」および「MORGENROT Arthur」を導入し、ジョブ(計算処理)管理技術などによってサーバーの高稼働率を図る。また、ジョブ単位で消費電力量を可視化する技術も活用し、計算力の利用と再生可能エネルギー電源を連携させることで、環境負荷低減とコストパフォーマンスの両立を目指す。

事業地の上ノ国町は、日本海の風を生かした風力発電など再生可能エネルギーの導入を進めている。2023年度には「ゼロカーボンシティ宣言」を表明しており、Jパワーも長年にわたり同町で風力発電事業を展開してきた。今回のDC事業を通じ、これまで築いてきた地域との関係を基盤に、新たな地域付加価値の創出を図る。

今後、Jパワーは今回の事業で得られる知見を基に、DC事業を段階的に拡大する方針。全国の事業拠点や各地域の再生可能エネルギーのポテンシャルを踏まえ、事業展開を検討する。

また、分散型DCを連携させるうえで重要となる「ワークロードシフト」の実現可能性についても検証を進める。計算負荷を時間的・空間的に移動させることで、電力需給バランスの調整やコンピューティングリソースの有効活用につなげる考えだ。

さらに、Jパワーグループが全国で展開する水力、風力、地熱、太陽光など多様な非化石電源を活用し、「グリーンDC」の実現を目指す。地域を限定せず全国各地の電源を活用した「環境価値プラットフォーム」の適用も検討し、発電と消費を1時間単位で照合する「Hourly Matching」などを通じて、透明性の高い環境価値の提供につなげる。

同社は「J-POWER “BLUE MISSION 2050”」に基づき、電力供給に加え、DCなど電力消費地のカーボンニュートラル化にも取り組む。今回の上ノ国町での事業を起点に、再生可能エネルギーと計算力を組み合わせたデジタル基盤の構築を進め、地域課題の解決とカーボンニュートラル社会の実現を両立させる。

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